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高校受験・入試

【2025年最新】多摩高校の特色検査の問題概要と対策

多摩高校の特色検査は、文章や図表の内容を読み取って解く力が求められる試験です。5教科を横断した知識が必要になるので、事前に傾向や対策を知っておくことが欠かせません。

しかし「どのような試験なのかいまいちわからない」という受験生や保護者の方もいるのではないでしょうか?

本記事では、多摩高校の特色検査における配点や傾向を詳しく解説します。具体的な対策方法も紹介していますので、今後の学習計画の参考にしてみてください。

※この記事の内容はすべて、2025年5月確認時点のものです。情報が更新されている可能性があるので、学校公式ホームページ神奈川県のホームページで最新情報を確認してください。

多摩高校の特色検査とは

多摩高校の特色検査とは、知識では測れない「考える力」や「読み取る力」を評価する試験です。教科書の内容をそのまま問うのではなく、文章やグラフなどの資料を読み解き、答えを導き出す問題が出されます。

1つの教科に限らず、国語・数学・理科・社会・英語の知識を組み合わせた内容が特徴です。そのため、5教科すべての基本を身につけておく必要があります。

出題される具体的なテーマや問題形式は入試当日までわからないため、不安になる受験生も少なくありません。読解力や情報整理力に加えて、身の回りの物や出来事に対し「なぜこのような仕組みになっているのか?」を考える習慣が大切です。

下記の記事で、神奈川県公立高校入試の選考の流れや合否の判定方法を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

神奈川県公立高校入試を解説|合否の決まり方や比率・具体例がわかる

多摩高校の配点

2025年度における多摩高校の特色検査では、各大問は25点ずつ配点されています。第1次選考と第2次選考の2種類があり、それぞれの配点比率は下表の通りです。

選考区分学習の記録(評定)学力検査特色検査(自己表現)主体的に学習に取り組む態度(評価)
第1次選考462
第2次選考822

参考:神奈川県公立高等学校 入学者選抜選考基準

いずれの選考でも特色検査の比率は「2」で、もっとも重視されるのは学力検査となります。まずは学校の定期テストや模試などで安定した点が取れるように、基礎学力を身につけていきましょう。

なお「多摩高校の偏差値はどれくらいなんだろう?」と気になる方は、下記の記事をご一読ください。

多摩高校の偏差値は?|特徴と共に受験がおすすめな生徒さんを紹介

多摩高校|特色検査の傾向と対策

多摩高校の特色検査で良い点数を取るためには、出題の傾向や効果的な対策を理解しておくことが大切です。過去の問題をもとに解説しますので、これからの勉強にお役立てください。

過去問題の概要・傾向

多摩高校の特色検査では、さまざまなテーマをもとに下記のような問題が出題されます。

  • 国語・数学・理科など、教科の枠を超えた「科目横断型」の問題
  • 複数の資料や文章を読み取り、考えを整理して答える問題

たとえば2025年度は、外国人観光客の増加やコーヒーの淹れ方といったテーマに対し、図表の読み取りや高度な計算が必要な問題もありました。日本語の文章でも理数系の要素が含まれる場合もあり、語句の意味だけではなく、全体の流れを理解して答える力が重要です。

解答形式はマークシートが大半で、一部記述や図への書き込みなどもあります。立体図形が出た場合は平面図に置き換えて「今どういう状況なのか?」を1つずつ整理することが大切です。食品や道具など身近なテーマをもとに出題されることもあり、日常生活への関心も欠かせません。

「より詳しい特色検査の解説を知りたい」という方は、下記の記事を参考にしてみてください。

2025年度公立高校入試 特色検査「共通問題」分析資料

入試対策

多摩高校の特色検査で高得点を取るには、下記の3つに取り組みましょう。

  • 読解力を鍛える
  • 英文を速く読めるようにする
  • 過去問は優先順位をつけて解く

もっとも大切なのが文章を読み解く力です。設定が複雑な問題もあるので、わかりにくい場合は状況を書き出して整理しましょう。グラフ・表などを読み取って答える問題も出るため、普段から図や資料を見て、正確に理解する練習をしてみてください。

また、英語の長文を早く読む力も必要です。長文全体を1つのストーリーとして、場面を想像しながら読むとスムーズに理解しやすくなります。

特色検査は、60分間で4つの大問を解かなければなりません。すべてに時間をかけると終わらないので「1問につき15分」など制限時間を決めましょう。過去問を使って、自分がどこに時間がかかるのかを知っておくと、本番でも慌てずに済みます。

5教科の勉強法を詳しく知りたい方に向けて、科目ごとの勉強ポイントをまとめました。こちらの記事で説明していますので、あわせてご覧ください。

【すぐできる】高校受験の勉強法5つと科目ごとの勉強のコツを紹介

多摩高校の過去受験データ

多摩高校は毎年高い人気を集めており、倍率も高めで推移しています。2022年度から2025年度までの倍率を下表にまとめましたので、ご覧ください。

年度倍率
20251.67
20241.63
20231.87
20221.78

2025年度はとくに川崎地区や横浜北地区(鶴見・港北・青葉など)の高校が、倍率1.5倍を超えている傾向にあります。中でも多摩高校は募集定員279人に対し、志願者数467人という人気の高さでした。

今後も上記の傾向が続くと考えられるため、学力検査と特色検査の両方で得点できるよう、早めの準備が重要です。

多摩高校の平均点・合格ライン

多摩高校に合格するためには、5教科合計で高い点数を取らなければなりません。下表は、2022年~2024年度の学力検査(英語・数学・国語・理科・社会)における平均点です。

年度合格者平均点(5教科合計)
2024421.2
2023432.9
2022426.4

令和6年度 神奈川県公立高等学校入学者選抜学力検査の結果」によると、2024年度の神奈川県高校全体の平均点は「278.7点」でした。多摩高校の合格者は全体平均を142.5点も上回っており、学力の高い生徒が多く集まる高校だとわかります。1教科あたり80点以上を安定して取れるようにしておきましょう。

多摩高校の入試日程

多摩高校における入試日程は下表の通りです。

日程内容
1月終わり(募集期間)専用サイトから出願
2月初め(志願変更期間)志願先を変えたい場合は一度だけ変更可能
2月中旬(試験の実施)学力検査・特色検査の実施
2月終わり(合格者発表)9時から専用サイトで合格者発表

募集期間が始まる前に、中学校で「神奈川県公立高等学校への志願のための事前登録のお願い」という資料が配布されます。慌てなくて済むよう、早めに専用サイトへのアカウント登録を行っておきましょう。

詳しくは多摩高校の公式ホームページか、例年6月中旬に発表される神奈川県教育委員会の「特色検査を実施する学校や検査の概要」を確認してください。

下記の記事では「より合格しやすい高校に志願変更するか迷う…」と悩む方に向けて、志願変更制度を使うときの考え方を紹介しています。

【中3】公立高校入試 志願変更制度を上手に使う

多摩高校の特色検査に関するよくある疑問

多摩高校の特色検査について、よくある疑問をまとめました。

多摩高校の内申点は最低いくつあればいい?

多摩高校の合格に必要な内申点は、合計121〜125程度が目安です。たとえば、次のような内申点だと「123」になり、合格範囲に届きます。

  • 9教科中、少なくとも5教科で「5」を取る
  • 残りの4教科で「4」を取る

なお、2025年度における多摩高校の配点比率は「評定4:学力検査6:特色検査2」です。比率の高い学力検査だけに頼らず、日々の予習・復習や定期テスト対策を丁寧に行い、着実に内申点を上げていきましょう。

内申点を向上させたい方は、ぜひ下記の記事もご覧ください。内申点を上げる対策を5つ紹介しています。

【神奈川】内申点の計算方法と公立高校一覧|まだ間に合う対策も解説

多摩高校はなぜ人気?

多摩高校が人気の理由は、次のような環境があるからです。

  • 校舎が綺麗でグラウンドが広い
  • 行事(文化祭・体育祭・修学旅行など)が生徒主体で力が入っている
  • 実験器具が整っており、テーマを決めて研究できる
  • 最寄駅から徒歩10分弱で坂がなく歩きやすい

「高校ならではのイベントも思い切り楽しみたい」と考える中学生にとって、多摩高校は理想的な学校と言えるでしょう。

多摩高校の進学実績は?

多摩高校では、毎年多くの卒業生が有名大学に進学しています。下記は、2024年度の卒業生274人のうち、国公立大学と私立大学へ進学した学生の数です。

大学人数進学先の例
国公立大学69人横浜国立大学、東北大学、東京工業大学など
私立大学171人青山学院大学、明治大学、中央大学など

参考:神奈川県立多摩高等学校 進路結果

勉強と学校生活を両立しながら、大学進学も見据えて高校生活を送りたい方におすすめの学校です。

多摩高校の特色検査に向けて、長文や図表を読み解く力をつけよう

本記事では多摩高校の特色検査について、概要や過去問の傾向、対策方法を解説しました。多摩高校は学力検査を一番重視しているものの、特色検査の配点比率も2なので対策しておく必要があります。

まずは5教科の勉強をしつつ、日本語・英語の長文や図表を読む力をつけていくことが大切です。特色検査の模試を受けておくと、本番と同じ感覚で解く練習ができるので、落ち着いて対処しやすくなります。

進学塾「湘南ゼミナール」では、無料で受験できる「特色検査対策模試」を開催予定です。試験結果から多摩高校との相性や、どの大問を解く力があるのかまでわかります。本番に向けて自分の実力を知っておきたい方は、ぜひ以下からお申し込みください。