湘ゼミコラム

勉強法

勉強できない中学生の7つの特徴とは?取り組むべき3ステップと具体策

「勉強できない中学生、これから、どうしていけばいいんだろう?」

このような悩みを抱える保護者の方々は、少なくありません。

高校受験、あるいは大学受験に向けて、学力の差が大きく開く前に、適切に対策し、勉強ができない状態から脱することが重要です。

勉強できない中学生には、共通して見られる特徴や、有効な対策が存在します。

この記事では、勉強ができない中学生の現状や心理を理解したうえで、どう対処していくべきか、まとめました。

現代は多様な学びの形がある分、さまざまな手法を試してはうまくいかず、挫折感を強めてしまうケースもあります。

できるだけ早く軌道修正できるよう、本記事をお役立てください。

1. 勉強できない中学生に見られる7つの特徴

中学生時代は多感な年代です。自己管理が求められるようになり、勉強の難易度も上がります。

この時期に、「勉強できない状態」に陥る中学生に見られる特徴から、確認していきましょう。

1. 集中力が続かない

2. 学習に対する興味や意欲が低い

3. 自分で問題を解決できるという自信がない

4. 学校生活におけるプレッシャーがある

5. 効率的な学習方法を知らない

6. 親や教師とのコミュニケーションが不足している

7. 健康状態や生活リズムの乱れの問題がある

1-1. 集中力が続かない

1つめの特徴は「集中力が続かない」です。

この問題は、多くの生徒に共通して見られる特徴です。学力を効率的に上げていくためには、早期に解決すべき点といえます。

たとえば、授業中に先生の話を聞いていても、気が散りやすくなります。ほかのことに気が向いてしまうことが多いのです。

学習内容の理解が進まず、成績への影響が出ることもあります。

集中力が続かない原因は、さまざまです。


  • 自分にとって難しすぎる授業:理解が追いつかず、集中力が途切れる
  • 逆に簡単すぎる授業:興味を持てず、注意が散漫になる
  • 学習環境の問題:騒音などの外部要因で集中が妨げられる
  • 個人の性格:気が散りやすい性格の場合、集中を維持するのが難しい
  • 栄養や生活リズムの問題:健康的な生活習慣がないと、集中力が低下する
  • その他の原因:家庭の事情など、個別の状況による影響もある

気が散りやすい子ほど、集中力を強化する学習環境の整備や、生活上のケアが重要となります。

1-2. 学習に対する興味や意欲が低い

2つめの特徴は「学習に対する興味や意欲が低い」です。

中学生は、学校の勉強だけでなく、友人関係や部活動など、多岐にわたる興味を持つようになります。

結果、学習に対する興味や意欲が、相対的に低下することは、珍しくありません。


  • 部活動やクラブ活動への熱中:部活動の練習やクラブ活動に夢中になり、勉強の優先順位が下がる
  • 友人との交流や遊びへの関心の増加:友人とのコミュニケーションが増え、学習への興味が薄れる
  • ゲームや娯楽への時間の増加:遊びに時間を使いすぎて、学習時間が確保できない

学習への取り組みが消極的になれば、当然ながら成績の低下につながります。

成績の低下はさらなる意欲の低下につながるケースが多いため、早期に悪循環を断ち切りたいところです。

1-3. 自分で問題を解決できるという自信がない

3つめの特徴は「自分で問題を解決できるという自信がない」です。

中学生になると、学習内容が複雑になり、自分で考えて問題を解決する能力が求められます。しかし、中学生の中には、自分で問題を解決する自信が持てない子も少なくありません。

この自信のなさは、以下のような要因から生じることが多いでしょう。


  • 小学校時代に勉強の基礎が固まっていない:中学生になって一気についていけないと感じてしまう
  • クラスメートと比較して劣等感がある:ほかの生徒と自分を比べ、自分が劣っていると感じる
  • 友人関係でのつまずきがある:友達とのコミュニケーションがうまくいかず、自信を失う

要因は1つとは限らず、複数が心の中で複雑に絡み合い、自信を失わせてしまうことがあります。
自信のなさは、勉強に対するモチベーション低下や将来への不安にもつながるため、早めの対処が重要です。

1-4. 学校生活におけるプレッシャーがある

4つめの特徴は「学校生活におけるプレッシャーがある」です。

中学生になると、学校生活におけるプレッシャーは増加する傾向があります。

中学生が、精神的な圧迫感を覚えやすい要因として、以下が挙げられます。


  • 成績へのプレッシャー:テストの点数や順位付けによる競争が強まる
  • 友人関係に対する負荷:友達付き合いが複雑になり、人間関係のストレスが増加する
  • 部活動やクラブ活動の重責:活動への取り組みが本格化し、大会などの結果に対して重圧がある
  • 先生や学校からの期待:先生や学校からの期待を重荷に感じるケースがある

これらのプレッシャーは、心に大きな負担となる可能性があります。中学生は、自己認識が変化する時期でもあり、繊細に影響を受けやすいからです。

大人でも、不安や心配事があると、家事や仕事が手に付かないことがあるでしょう。中学生も、プレッシャーによって、学習意欲が阻害されるケースがあるのです。

1-5. 効率的な学習方法を知らない

5つめの特徴は「効率的な学習方法を知らない」です。

中学生になると、学習内容が多岐にわたります。この段階で効率的な学習方法を知らないと、学習の進捗が遅れがちとなります。

効率的な学習方法を知らない中学生は、以下の状況に陥ることがあります。


  • 同じ内容の反復学習に時間を取られる:同じ問題を何度も解くため、効率が悪くなる
  • 自分に合った学習方法が見つからず、努力が報われない:自分の学習スタイルに合わない方法で学ぶため、勉強しているのに成果が出ない
  • 計画的に学習を進められず、テスト前に焦る:学習計画が立てられず、テスト前に一気に学習する必要がある
  • 学習の目標設定が曖昧で、方向性を見失う:具体的な目標がないため、どこに向かって学ぶべきかわからない

これらの状況は、学習のモチベーションを下げ、成績の向上を妨げる原因となります。
自分に合った学習方法が見つからないと、どれだけ努力しても成果が出ないことがあるため、挫折を感じてしまうのです。

1-6. 親や教師とのコミュニケーションが不足している

6つめの特徴は「親や教師とのコミュニケーションが不足している」です。

中学生は、自己の成長とともに、学業や友人関係などの悩みが増える時期です。

コミュニケーションが不足すると、心の中で複雑な問題が積み重なることがあります。


  • 悩みを共有できず、解決が遅れる:親や教師と話す機会が少ないため、悩みを解決するために必要な支援を得られない
  • 感情のコントロールが難しくなり、ストレスが溜まる:感情のコントロールが難しくなり、ストレスが溜まることで学習に対する意欲が低下する
  • 親や教師の期待と自分の目標がずれる:親や教師とのコミュニケーションが不足すると、期待値のギャップが生じ、モチベーションの低下を招く

保護者の方にとっては、この時期の中学生のコミュニケーションに、難しさを感じるかもしれません。

学校、あるいは塾の先生など、第三者のサポートも重要となります。

1-7. 健康状態や生活リズムの乱れに問題がある

7つめの特徴は「健康状態や生活リズムの乱れに問題がある」です。

中学生は、部活動や友人との交流、習い事などで意外と多忙です。

そのうえに、ホルモンバランスの変化などで体の状況も変わる時期で、健康状態や生活リズムが乱れることがあります。

中学生の健康状態や、生活リズムの乱れが引き起こす問題の一例として、以下が挙げられます。


  • 睡眠不足:就寝時間が遅くなり、十分な睡眠時間を確保できずに学習効率の低下が起きる
  • 食生活の乱れ:間食の増加や不規則な食生活により、栄養バランスの崩れが生じる
  • スクリーンタイムの増加:スマートフォンやゲームに時間を使いすぎ、目の疲れや頭痛が起きる
  • ストレスの蓄積:学業とプライベートのバランスが取れず、精神的な負担が増える

「勉強をサボってばかりいる」と叱っていたら心身の問題を抱えていた、というケースもあるので、注意深く見守る必要があります。

2. 勉強できない中学生が最初に取り組むべき3つのステップ

ここまで、勉強できない中学生の特徴を見てきました。

どうして勉強できない状況に陥っているのかわかると、具体的にどのように対処すべきかが見えてきます。

まず優先して取り組みたいのが、次の3つのステップです。

  1. 学習環境を整える
  2. 学習習慣を作る
  3. 学習意欲のみなもとを育む

2-1. 学習環境を整える

1つめのステップは「学習環境を整える」です。

集中力の不足や、意欲の低下が見られる場合、学習に適した環境をきちんと準備することがまず必要となります。

具体的には、以下を参考に、勉強に気持ちが向きやすくなる空間づくりを行いましょう。

【学習環境の作り方】


  • 勉強スペースの確保:ベッドやソファなど寝たり遊んだりする場所と区別した、勉強のためのスペースをきちんと確保しましょう。教材以外のものは片付けて、整理整頓しておきます。
  • ​​体に合う机と椅子:学習机や椅子が体に合わない場合、集中力を維持するのが難しくなります。とくに高さが重要ですので、高さ調節可能なものを選び、最適な高さに合わせましょう。
  • 快適な室温と湿度:季節に応じてエアコン・暖房・除湿器・加湿器などを適切に使い、快適な室温と湿度を保つようにします。室温は冬期20℃・夏期28℃、湿度は50%前後が目安です。温度計や湿度計を活用して、集中できる環境になっているか確認しましょう。
  • 照明の工夫:電球色など温かみのある照明にはリラックス効果がある一方、集中力アップには不向きです。勉強する部屋には、明るく青みがかった「昼光色」が適しており、眠気を軽減させて脳を活性化させるといわれます。
  • 騒音対策:きょうだいの騒ぐ声やテレビの音は、集中力を阻害します。できるだけ静かな空間を作るようにしましょう。難しい場合は、耳栓やノイズキャンセリングイヤホンなど、騒音をシャットアウトするアイテムを準備してあげてください。
  • スマホや漫画の管理:勉強時間中はスマホや漫画を別の部屋に置くなどして、目に入らないようにします。

参考:MBA@UNC「HOW LIGHTING AFFECTS THE PRODUCTIVITY OF YOUR WORKERS 」

2-2. 学習習慣を作る

2つめのステップは「学習習慣を作る」です。

できる限り年齢が低いうちに、「勉強するのが当たり前」の状態を、頭ではなく体で覚えておくと、その後の勉強人生がグッと楽になります。

習慣化のコツは、どのようなシチュエーションの日でも毎日、勉強することです。1回に行う勉強時間は短くてよいので、その代わり、毎日継続します。

「夏休みだから」「旅行中だから」「お正月だから」という理由でやらなくてOKの日を作らず、どんな日であっても勉強するルールにします。

【習慣化ルールの例】


  • 朝起きたら、朝食の前に、かならず15分、勉強する

勉強時間は、その子の個性によって、設定しましょう。最初は「1分」のように短くても、習慣化できてくると、少しずつ時間を延ばせるようになります。

2-3. 学習意欲のみなもとを育む

3つめのステップは「学習意欲のみなもとを育む」です。

自ら勉強する学習意欲を育むためには、以下の3つの感覚が育っている必要があります。

学習意欲のみなもと


  • 有能感(sense of competence):「自分は勉強ができるんだ!」という気持ち。勉強に対して積極的になるために必要。
  • 自己決定感(sense of self-determination):「自分のことは自分で決めているんだ!」という気持ち。強制されているのではなく自分で選んでいるという感覚。
  • 他者受容感(sense of acceptance by significant others):「自分は周りの大切な人から受け入れられているんだ!」という気持ち。受け入れられていると感じられれば、安心して勉強できる。

参考:桜井茂男, 『学習意欲の心理学 自ら学ぶ子どもを育てる』, 誠信書房, 1997年, pp.18-21

親に悪気はなくても、上記の感覚を阻害するような叱り方や声掛けをしていると、子どもは学習意欲を失ってしまいます。

上記の概念の詳細や、具体的な教育のプロセスについては、教育心理学で研究されています。

「学習意欲」のキーワードで書籍などを検索してみると、専門書が見つかります。親が学習意欲について、学んでみるのもよい方法です。

⇒ 参考:Amazonで[学習意欲]と検索した検索結果ページ

以上、土台となるステップをご紹介しました。

  1. 学習環境を整える
  2. 学習習慣を作る
  3. 学習意欲のみなもとを育む

この3つのポイントは、常に継続して実行していきましょう。

次章では、効果をすぐに実感しやすい、より具体的な対策についてご紹介します。

3. 勉強できない中学生をサポートする具体策

続いて、より直接的に中学生の勉強をサポートするための具体策をご紹介します。

  1. 栄養管理に力を入れる
  2. 良質な睡眠を取る
  3. ポジティブなフィードバックをする
  4. 記憶術ハックを教える
  5. 旅行などで実体験と勉強を結び付ける
  6. 子どもに合う塾を選ぶ

3-1. 栄養管理に力を入れる

1つめの対策は「栄養管理に力を入れる」です。

個人差はあるものの、食事内容によって意欲や集中力が大きく変動するタイプの子もいます。

中学生の心身の成長に必要な栄養を確保するとともに、学力向上にも有効な食事管理を実践しましょう。


  • 朝食をしっかり食べる:朝食は一日のエネルギー源となります。タンパク質やビタミンをバランスよく摂ることで、集中力が高まります。たとえば、焼き魚や卵、野菜のサラダなどがおすすめです。
  • 昼食やおやつの工夫:学校の給食やお弁当で栄養をしっかり取ります。お腹が空くようであれば、果物やナッツなどの小さなおやつを持たせるとよいでしょう。
  • 夕食の質の確保:夕食は一日の疲労回復や睡眠中の成長において重要な食事です。肉・魚・大豆などのタンパク質をしっかり摂るようにしましょう。
  • 水分の摂取:脳の働きを活発にするためには、水分の摂取も欠かせません。1日に1.5リットルの水分摂取が推奨されています。
  • 栄養バランスのチェック:食事のバランスを見るためにアプリを活用する方法もあります。たとえば、食事内容を記録することで、必要な栄養素が足りているかをチェックできます。
  • 専門家のアドバイス:栄養士への相談もよい手段です。たとえば、月に一度のカウンセリングで、子どもの成長に合わせた食事の提案を受けることができます。

3-2. 良質な睡眠を取る

2つめの対策は「良質な睡眠を取る」です。

中学生にとって、睡眠の管理は学業の成績向上に直結します。

質の高い睡眠は、心身の発育に欠かせない要素です。以下、具体的な取り組みを解説します。


  • 毎日同じ時刻に就寝する:毎日同じ時刻に就寝することで、体内時計が整います。たとえば「毎晩22時」に寝るようにするとよいでしょう。
  • 十分な睡眠時間を確保する:8時間以上の睡眠が理想です。たとえば、起床時間が6時なら、22時には寝るようにしましょう。
  • 寝る前にリラックスする:寝る前にはリラックスする時間を作ります。のんびり過ごせるように、配慮してあげましょう。
  • 寝具を厳選する:快適な睡眠を得るためには、寝具の選定も重要です。本人が熟睡しやすい枕やマットレスを探しましょう。
  • 食事後2時間以上を空ける:夕食後、すぐに寝るのは避けましょう。夕食後2時間以上は空けるようにします。22時に寝る場合は遅くとも20時までに夕食を終えましょう。
  • スマートフォンの使用を控える:寝る前のスマホ使用は控えましょう。脳が覚醒して安眠を妨げるためです。
  • 専門家のアドバイス:睡眠の質が気になる場合、専門家に相談するのもひとつ手段です。たとえば、睡眠クリニックでのカウンセリングがあります。

3-3. ポジティブなフィードバックをする

3つめの対策は「ポジティブなフィードバックをする」です。

子どもの成長において、ポジティブなフィードバックは非常に重要な役割を果たします。

前述の他者受容感(周囲に受け入れられている感覚)や、有能感(自分ならできるという感覚)を育む声掛けをしていきましょう。

以下は具体的なアプローチの例です。


  • 努力の称賛:子どもが努力した事実を認めることで、自己肯定感が高まります。たとえば、テストの点数が上がった際には、その努力を称賛しましょう。
  • 具体的な言葉で褒める:褒める際には、具体的な言葉を使うと効果的です。たとえば、「この問題、前回よりも早く解けたね」といった具体的な言葉がよいでしょう。
  • 適切なタイミングでのフィードバック:声掛けのタイミングも重要です。たとえば、子どもが努力した直後に声掛けすると、効果が高まります。
  • 適切な量のフィードバック:褒めすぎたり干渉しすぎたりすると逆効果となることがあります。本人の様子を見ながら、適切な量を心がけるとよいでしょう。
  • 非言語的なフィードバック:言葉だけでなく、非言語的なフィードバックも効果的です。たとえば、頷く、微笑むなどのジェスチャーが効果的です。
  • 失敗への対応:失敗した際にも、その努力を認めることが重要です。「次回に生かそう」と前向きに捉える言葉を伝えます。
  • 共感の表現:子どもの感情に共感することは、信頼関係を築くうえで重要です。たとえば、「大変だったね」と共感の言葉をかけましょう。

3-4. 記憶術ハックを教える

4つめの対策は「記憶術ハックを教える」です。

子どもに勉強を教えるときに、学習内容を教えるだけでなく、勉強の仕方(方法論)の選択肢を教えることを意識しましょう。

自分に合う勉強方法を早期に見つけられた子は、学力も飛躍的に伸びやすくなります。

ここでは参考までに、3つの記憶術をご紹介します。お子様と一緒に、チャレンジしてみてください。

  1. チャンキング
  2. ストーリーテリング
  3. スペースドリピーティション

3-4-1. チャンキング

「チャンキング」は、情報を小分けにして覚える方法です。

人間の記憶は一度に多くの情報を処理するのが困難です。たとえば、電話番号を3つのグループに分けて覚えると、記憶の負担が軽減されます。

中学生が学ぶ英単語や数学の公式を効率よく覚えるために、以下の手順で進めるとよいでしょう。


1. 情報の分類:覚えるべき情報を小さなグループに分けます。たとえば英単語なら、動物名、植物名などのカテゴリーで分ける方法があります。

2. 小分けにした情報の整理:分けたグループごとに、カードやノートに書き出します。視覚化することで、覚えるべき内容が明確になります。


3. 1つのグループを集中して覚える:1つのグループだけに集中して覚えます。たとえば「動物名の英単語だけ覚える」という具合に集中します。4. 定期的な復習:1つのグループを覚えたら次のグループへ進みますが、前のグループを忘れないように、定期的に復習します。

3-4-2. ストーリーテリング

「ストーリーテリング」は、情報を物語にする方法です。語呂合わせや覚え歌も、ストーリーテリングの一種といえるでしょう。

たとえば、歴史はもともと物語性が強いので、ストーリーテリングでの記憶に適した教科といえます。


1. 対象の選定:覚えたい情報を選びます。たとえば、日本史の戦国時代の出来事などが対象になるでしょう。

2. 物語の構築:選んだ情報を物語の形にします。戦国時代なら、主人公を時代の英雄として、その周りの出来事を描きます。

3. 感情の結びつけ:物語に感情を結びつけます。主人公の勇気や友情など、感情的な要素を加えると、記憶に残りやすくなります。

4. 視覚的な要素の追加:イラストや映像など視覚的な要素を加えると、さらに理解が深まります。自分で描くか、関連する映像を見るといいでしょう。

5. 物語の共有:親や友達に物語を話すと、理解が深まります。一緒に楽しむことで、記憶に定着しやすくなります。

6. 定期的な復習:物語を定期的に思い出し、自分で語り直します。新しい視点や要素を加えることで、記憶が新鮮に保たれます。


3-4-3. スペースドリピーティション

「スペースドリピーティション」は、一定間隔で情報を復習する方法です。

記憶の定着には、反復が必要です。たとえば、1日後、3日後、1週間後と復習すると、長期記憶に移行しやすくなります。



2. 初回学習の実施:計画した内容を学びます。この際、理解を深めるために、ほかの学習法(例:ストーリーテリング)と組み合わせるとよいでしょう。

3. 初回復習/1日後:初回学習から1日後に復習します。この時点で、80%程度の内容を正確に思い出せることを目指します。

4. 2回目の復習/3日後:初回復習から3日後に再度復習します。この時点で、内容の90%以上を正確に思い出せることを目指します。

5. 3回目の復習/1週間後:2回目の復習から1週間後に、最終的な復習を行います。この時点で、内容をほぼ完璧に覚えることを目指します。6. 定期的な確認:その後も、定期的に内容を確認します。月に1回など、自分に合ったペースで確認するとよいでしょう。

1. 学習計画の作成:何を学ぶのか、いつ復習するのかを計画します。計画には、学ぶ内容と復習のタイミングを明記します。

3-5. 旅行などで実体験と勉強を結び付ける

5つめの対策は「旅行などで実体験と勉強を結び付ける」です。

机に向かって勉強するだけでなく、「体験」を通じて学ぶ機会を、できるだけ増やしていきましょう。

特定の分野の学習意欲を刺激するきっかけになったり、机上学習では覚えられなかったことを瞬時に覚えられたりと、非常に効果的な学びとなります。

具体的には、以下を参考にしてみてください。


1. 旅行先の選定:学習内容に合わせた旅行先を選びます。たとえば、歴史の教科書に出てくる古墳や戦いの場などが考えられます。

2. 事前学習の実施:旅行先で学ぶべきポイントを事前に学習します。「旅のしおり」を子どもに作ってもらうのもよい方法です。

3. 現地での体験学習:実際に現地に足を運び、目で見て、耳で聞いて、五感を使って学びます。


4. 体験の振り返り:旅行から帰った後、体験を振り返ります。写真やメモを活用し、学んだことを整理します。5. 学校の授業との連携:学校の授業で学んだ内容と旅行での体験を結び付けます。これにより学びが一層深まります。

3-6. 子どもに合う塾を選ぶ

6つめの対策は「子どもに合う塾を選ぶ」です。

塾は、学校の授業だけでは不足する部分を補い、個別のニーズに応える場所となります。

中学生で勉強ができずに悩んでいる場合には、ぜひ活用したいところです。

ただし、子どもに合う塾を見極めて選ぶことが重要です。


1. 子どもの現状確認:どのようなサポートが必要なのか、現状を十分に確認します。

2. 塾の種類の理解:個別指導塾、集団指導塾、オンライン塾など、塾にはさまざまな形態があります。子どもの性格や学びたい内容に合った塾の形態を選びます。

3. 情報収集:インターネットや口コミ、友人からの紹介などで、地域の塾について情報を集めます。

4. 見学・体験授業:興味を持った塾は、見学や体験授業を通じて、実際の雰囲気を確かめます。

5. 費用とサポート内容の確認:塾の費用やサポート内容、カリキュラムなどを詳しく確認します。

6. 子どもとの相談:子どもと一緒に、最終的な塾選びを行います。

7. 定期的なフォロー:塾に通い始めた後も、子どもの様子や塾での進捗を定期的に確認しましょう。


塾選びについて詳しくは、以下の記事もあわせてご覧ください。

4. まとめ

本記事では「勉強できない中学生」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。

勉強できない中学生に見られる8つの特徴として、以下をご紹介しました。

  1. 集中力が続かない
  2. 学習に対する興味や意欲が低い
  3. 自分で問題を解決できるという自信がない
  4. 学校生活におけるプレッシャーがある
  5. 効率的な学習方法を知らない
  6. 親や教師とのコミュニケーションが不足している
  7. 健康状態や生活リズムの乱れの問題がある

勉強できない中学生が最初に取り組むべき3つのステップは、次のとおりです。

  1. 学習環境を整える
  2. 学習習慣を作る
  3. 学習意欲のみなもとを育む

勉強できない中学生をサポートする具体策として、6つをご紹介しました。

  1. 栄養管理に力を入れる
  2. 良質な睡眠を取る
  3. ポジティブなフィードバックをする
  4. 記憶術ハックを教える
  5. 旅行などで実体験と勉強を結び付ける
  6. 子どもに合う塾を選ぶ

中学生のときは勉強ができなくても、高校受験・大学受験と頭角を現し、優秀な成績を収める子も少なくありません。

今からできることをひとつずつ実践しながら、成績アップに取り組んでいきましょう。