湘ゼミコラム

学習塾の選び方

小学生の塾の費用相場|種類ごと・学年ごとに月額や総額の幅を解説

小学生を学習塾に通わせる時に、「費用はいくらぐらいになるのだろう?」と気になる親御様がほとんどではないでしょうか。

結論から言うと、小学生の塾の費用(月額授業料)は、月額5千円~月額8万円が相場です。塾に通わせる目的や学年によってもかなり幅があります。

受験対策をしない「補習塾」に小学1年生が通う場合には月額5千円程度からが相場です。一方で、中学受験対策を行う進学塾に小学6年生が通う場合には、月額3.5万円〜8万円程度、場合によってはそれ以上かかることもあります。

このように、補習塾か中学受験対策塾か、小学何年生かによって、かなり月額費用に差が生まれることがわかります。

今回は、小学生の塾費用について、補習塾か中学受験対策塾か、小学何年生かによって場合分けして、詳しい相場を紹介していきます。

また、後半では、月額授業料以外の費用についても解説し、授業料が安くても年間のトータル費用で比較すると高くなるケースがあることを紹介します。

小学生の塾の費用相場を、状況別×学年別に知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。

なお、小学生の学習塾事情を知りたい方や、通わせるか迷っている方は、ぜひ以下の記事も参考にしてみてください。

【最新】小学生の学習塾事情|通塾割合・時期・費用・選び方まで解説

小学生から通塾する理由は?子どもに合う塾の探し方

1. 小学生の塾の費用は月5千円~月8万円程度が相場

小学生を学習塾に通わせる場合の費用は、だいたい月5千円~月8万円が相場となります。

この数字を見て、「かなり価格の幅があるな…」と感じた方も多いことでしょう。小学生の塾費用はまさにピンキリで、通わせる目的や学年によってもかなり変わるのです。

【小学生の学年ごとの塾費用まとめ】

学年補習塾中学受験対策塾
特徴・授業のフォローが目的で受験はしない
・個別指導の学習スタイルがメイン
・授業料以外の費用はあまりかからない
・中学校受験をする生徒さんが通う塾
・集団授業スタイルがメイン
・授業料以外の費用もかなりかかる
小学1年生月額5千円~1.6万円程度月額1.5万円~3万円程度
小学2年生
小学3年生月額2万円~3万円程度
小学4年生月額6千円~2.3万円程度月額2.3万円~4.3万円程度
小学5年生月額3万円~5.5万円程度
小学6年生月額3.5万円~8万円程度

補習塾の場合は、上記の月額授業料以外には費用がかからない塾が多い傾向にあります(入会金や教材費などがかからない)。そのため、月額費用を12ヵ月で乗算したのが年額となることがほとんどです。

一方で、中学受験対策塾の場合は、上記の月額授業料以外に、入会金や教材費、テスト費用、模擬試験費用、季節講習費用がかかります。そのため、月額費用×12ヵ月分だけでなく、その他費用を合計しないと年額がわからなくなっています。

早速、2章では「補習塾」の費用を、3章では「中学受験対策塾」の費用について解説していきます。

2. 小学生の【補習塾】の費用相場は月額5千円~2.3万円程度

小学生が「補習塾」に通う場合の費用相場は、通う頻度や科目数にもよりますが、月額5千円~2.3万円程度が目安となります。

1章でも解説した通り、補習塾とは、小学校の授業の予習・復習を中心とした勉強を行う塾のことをいいます。中学受験対策が目的ではない塾ともいえます。

中学受験対策塾とは違い、小学校で習う以外の新しい知識を勉強する訳ではないため、一人ひとりの学習に合わせた個別指導スタイルが一般的です。

高度な知識が必要にならないケースも多いため、補習塾は費用がかなり安めに設定されています。そのため、「習い事」感覚で子どもを補習塾に通わせる親御様も多くいらっしゃいます。

また、中学受験対策を行う塾と比べると、授業料以外の費用がそれほどかからない点や、学年が進んでも費用があまり変わらない点が特徴です。

2-1. 小学1~3年生の補習塾の費用:月額5千円~1.6万円程度

小学低学年(1年生から3年生まで)の場合、1回の授業が40分~60分程度で、1コマあたり5,000円~8,000円程度が一般的です。

コマ数を増やして2教科を勉強したい場合には、1倍の1万円~1.6万円程度になることが多いでしょう。

参考までに、以下に、低学年を対象とした塾の費用をまとめました。

【小学1~3年生の補習塾の費用例】

指導形態回数月額授業料別途かかる費用
A塾個別指導
(1コマ60分)
週1コマ5,225円入塾金・教材費など
週2コマ10,450円
週3コマ15,675円
B塾個別指導
(1コマ40分コース)
週1回(月4回)7,205円総合指導費1,100円
週2回(月8回)14,410円
週3回(月12回)21,615円
C塾自習学習1教科7,700円専用リスニング機器6,600円がかかる場合あり
2教科15,400円
3教科23,100円

※価格はいずれも税込表記で、2023年12月に確認した内容となります。

まとめると、小学低学年の場合、週1回1コマなら5,000円~8,000円程度が相場、週2回なら1万円~1.6万円程度が相場なので、全体的な相場は5千円~1.6万円程度となります。

年額にすると6万円~19.2万円が相場となります。補習塾の場合、入会金や教材費などがかかる塾と不要な塾があるため、総合的にいくらか確認した上で入塾を検討すると良いでしょう。

2-2. 小学4年生~6年生の補習塾の費用:5.5千円~2.3万円程度

小学1年生から通える個別指導の塾の月額費用を比べると、高学年は少しだけ価格が高く設定されます。ただし、中学受験を目的としない塾の場合には、それほど低学年と変わらず、価格は微増であることが一般的です。

小学高学年(4年生~6年生)の補習塾は、1回の授業が40分~60分程度で、1コマあたり5,500円~8,000円程度が一般的です。

コマ数を増やして複数教科を勉強したい場合には、2倍の1.1万円~1.6万円程度になることが多いでしょう。

参考までに、以下に、小学高学年を対象とした塾の費用をまとめました。

【小学4~6年生の補習塾の費用例】

指導形態回数月額授業料別途かかる費用
A塾個別指導
(1コマ60分)
週1コマ5,445円入塾金・教材費など
週2コマ10,890円
週3コマ16,335円
B塾個別指導
(1コマ40分コース)
週1回(月4回)7,755円別途、総合指導費3,300円
週2回(月8回)15,510円
週3回(月12回)23,265円
C塾自習学習1教科7,700円専用リスニング機器6,600円がかかる場合あり
2教科15,400円
3教科23,100円

※価格はいずれも税込表記で、2023年12月に確認した内容となります。

まとめると、小学高学年の場合、週1回1コマなら5,500円~8,000円程度が相場、週2回(2コマ)なら1万円~1.5万円程度、週3回(3コマ)なら1.6万円~2.3万円が相場となり、全体的な相場は6千円~2.3万円程度となります。

年額にすると6.6万円~27.4万円が相場となります。補習塾の場合、入会金や教材費などがかかる塾と不要な塾があるため、総合的にいくらか確認した上で入塾を検討すると良いでしょう。

また、小学低学年と高学年で、価格が上がる塾と上がらない塾があるので、どの程度の上り幅になるかも事前に見通した上で入塾を検討することをおすすめします。

3. 小学生の【中学受験対策塾】の費用相場は月額1.5万~8万円程度

小学生が「中学受験対策塾(いわゆる進学塾)」に通う場合の費用相場は、通う頻度や科目数にもよりますが、月額1.5万円~8万円程度が目安となります。

※都市部を中心に、学習塾を掛け持ちして月20万円~30万円の塾代を払っている家庭もあります。教育費は掛けようとすればいくらでも掛けられるので、こうしたケースは外れ値としています。

中学受験対策塾は、2章で解説した「補習塾」と比べるとかなり高額となります。小学校では習わないレベルの高い授業を受けるため、授業料は高くなるのです。

個別指導では料金が高くなりすぎるため、集団授業スタイルをメインに塾に通うのが一般的でしょう。

ただし、「個別指導にこだわりたい」「集団指導にプラスして個別指導も受けたい」というケースでは、上記で示した相場よりもさらに高額になるので注意しましょう。

さらに、多くの中学受験対策塾は、月額授業料以外の料金が高いのも特徴です。年額でかかる費用は「月額授業料×12ヵ月分」とはならず、別途、入会金や教材費、テスト費用、模擬試験費用、季節講習費用がかります。

まずは、以下から月額授業料について確認していきましょう。

3-1. 小学1・2年生の中学受験対策塾の費用:月額1.5万円~3万円程度

小学1・2年生が「中学受験対策塾」に通う場合、月額授業料の目安は、1.5万円~3万円が目安となります。

受験対策を目的とした塾の形態としては「対面授業」が一般的です。教科は、国語・算数がメインの塾や、英語を学ぶ塾などがあります。

小学1・2年生だと「週1回」で45分を授業時間に設定しているような塾が多いでしょう。

以下は、大手塾の月額授業料をまとめた表です。

【小学1年生の中学受験対策塾の費用例】

指導形態回数月額授業料別途かかる費用
A塾対面授業(国語・算数/各45分)週1回17,000円・年会費(月1,870円)
・教材費
B塾英語塾週1日17,600円・講習費
英語塾週2日28,600円
C塾対面授業(国語・算数/各45分)週1日22,000円・特別講習の費用
・書籍代
・公開模試の費用

※価格はいずれも税込表記で、2023年12月に確認した内容となります。

まとめると、週1回通う塾の場合、月額1.5万円~2.2万円程度が目安となり、週2回だと3万円かかることもあるというイメージです。

なお、進学塾によっては、小学生のクラスは3年生や4年生から始まる塾も多いので注意しましょう。

3-2. 小学3年生の中学受験対策塾の費用:月額2万円~3万円程度

「中学受験対策塾」の小学3年生の月額授業料の目安は、2万円~3万円が目安となります。

受験対策を目的とした塾の形態としては、小学1・2年生と同様に「対面授業」が一般的です。

小学1・2年生では週1回・45分授業が多かったものが、小学3年生からは週2回になり60分や100分授業などが増えてきます。また、国語・算数に加えて、社会・理科の授業が増えます。

以下は、大手塾の小学3年生の月額授業料をまとめた表です。

【小学3年生の中学受験対策塾の費用例】

指導形態科目授業時間回数月額授業料別途かかる費用
A塾対面授業国語・算数50分週1回13,420円・年会費(月1,870円)
・教材費
・必修テスト代
対面授業国語・算数・社会・理科40分/60分週2回26,730円
B塾対面授業算数・国語・理科・社会100分週2回20,350円・講習費
D塾対面授業算数・国語・理科・社会
60分週1回2コマ25,300円・特別講習の費用
・書籍代
・公開模試の費用

※価格はいずれも税込表記で、2023年12月に確認した内容となります。

週1回(週に1コマ)の場合は月額1.5万円程度で通えますが、メインは週2回(または週1回で2コマ)となるため、ボリュームゾーンは月額2万円~3万円程度となります。

なお、小学3年生以降になると、模試の費用や特別講習の費用も別途かかるので注意しましょう。詳しくは後述しますが、費用を比較する場合には「年額でいくらかかるか」を意識することが大切です。

3-3. 小学4年生の中学受験対策塾の費用:月額2.3万円~4.3万円程度

「中学受験対策塾」の小学4年生の月額授業料の目安は、2.3万円~4.3万円が目安となります。ボリュームゾーンは月3万円台です。

小学4年生からは、4教科(国語・算数・社会・理科)を集中的に取り組むため、週4コマや週6コマなどの授業が増え、授業時間も70分や100分など長い授業が増えてきます

以下は、大手塾の小学4年生の月額授業料をまとめた表です。

【小学4年生の中学受験対策塾の費用例】

指導形態科目授業時間回数月額授業料別途かかる費用
A塾対面授業国語・算数・社会・理科100分/50分週2回30,360円・年会費(月2,900円)
・教材費
・カリキュラムテスト代
B塾対面授業国語・算数・社会・理科50分×6週2回36,300円・教材費(16,000円~20,000円程度)
・講習費
・志望校判定テスト代(5,280円)
C塾対面授業国語・算数・社会・理科70分×470分×4コマ/週22,880円・学習力育成テスト(38,500円×全10回)
・公開模試(11,550円×全3回)
・教材費(24,937円)
・副教材費(2,134円)
D塾対面授業算数・国語・理科・社会
60分週2回×3コマ42,900円・特別講習の費用
・書籍代
・公開模試の費用

※価格はいずれも税込表記で、2023年12月に確認した内容となります。

月額授業料が4万円を超える高額な進学塾もありますが、ボリュームゾーンは、週2回通って、月額2万円~3万円台でしょう。

なお、月額授業料が安くても、授業料に含まれない育成テストや模試代、教材費などが高い塾もあります。比較・検討する場合には、トータルでいくらか比較することが重要となります。

3-4. 小学5年生の中学受験対策塾の費用:月額3万円~5.5万円程度

「中学受験対策塾」の小学5年生の月額授業料の目安は、3万円~5.5万円が目安となります。

中学受験に向けて勉強が本格化する小学5年生からは、週2回または週3回の授業がベースとなります。4教科(国語・算数・社会・理科)を4コマや6コマに分けて勉強する授業がメインとなります。

以下は、大手塾の小学5年生の月額授業料をまとめた表です。

【小学5年生の中学受験対策塾の費用例】

指導形態科目授業時間回数月額授業料別途かかる費用
A塾対面授業(私国立中受験)国語・算数・社会・理科100分週3日49,060円・年会費(月2,900円)
・教材費
・カリキュラムテスト代
対面授業(公立中高一貫校受験)国語・算数・社会・理科100分週2日32,340円
B塾対面授業+家庭学習国語・算数・社会・理科70分×6週2日45,100円・教材費(16,000円~20,000円程度)
・講習費
・志望校判定テスト代(5,280円)×2回
C塾対面授業国語・算数・社会・理科70分×670分×6コマ/週29,700円・学習力育成テスト(44,000円)
・公開模試(26,400円)
・教材費(34,936円)
・副教材費(4,675円)
D塾対面授業算数・国語・理科・社会
90分週3回×2コマ53,900円・特別講習の費用
・書籍代
・公開模試の費用

※価格はいずれも税込表記で、2023年12月に確認した内容となります。

なお、月額授業料が安くても、授業料に含まれない育成テストや模試代、教材費などが高い塾もあります。比較・検討する場合には、トータルでいくらか比較することが重要となります。

また、授業時間が長い塾もあれば、短めの授業を好きな時間で取れる塾もあるため、通い方も合わせて比較することをおすすめします。

3-5. 小学6年生の中学受験対策塾の費用:月額3.5万円~8万円程度

中学受験対策を目的とした進学塾に通う場合、小学6年生の月額授業料の目安は、3.5万円~8万円程度が目安となります。

小学6年生は受験直前で最後の追い込みを行うため、週3日授業をおこなう塾がほとんどです。公立中高一貫校向けの授業は、週2日で価格も少しリーズナブルとなります。

以下は、大手塾の小学6年生の月額授業料をまとめた表です。

【小学6年生の中学受験対策塾の費用例】

指導形態科目授業時間回数月額授業料別途かかる費用
A塾対面授業(私国立中受験)国語・算数・社会・理科100分週3日50,050円・年会費(月2,900円)
・教材費
・必修テスト代
・前期土曜YT講座代
対面授業(公立中高一貫校受験)国語・算数・社会・理科100分週2日33,000円・年会費(月2,900円)
・教材費
・必修テスト代
B塾対面授業+家庭学習国語・算数・社会・理科70分×660分×4週3日57,750円~79,750円・教材費(16,000円~20,000円程度)
・講習費
・合不合判定テスト代(5,280円)×6回
C塾対面授業国語・算数・社会・理科70分70分×9コマ/週35,640円・学習力育成テスト(44,000円)
・公開模試(26,400円)
・教材費(37,532円)
・副教材費(6,435円)
対面授業(上位クラス)国語・算数・社会・理科70分70分×12コマ/週47,520円
D塾対面授業算数・国語・理科・社会
80分週2回×3コマ61,600円・特別講習の費用
・書籍代
・公開模試の費用

※価格はいずれも税込表記で、2023年12月に確認した内容となります。

同じ塾でも、目指す中学のレベルや時期によって月額授業料が変わるところもあります。授業や講師のレベルによってもかなり費用が変わってくるので、料金だけでなく内容も十分に比較した上で塾を決めると良いでしょう。

4. 小学生の塾の費用の差は【4つの違い】によって変わる

ここまで、小学生が通う塾の費用相場をお伝えしてきました。ここからは、なぜ費用に差が生まれるのかを解説していきます。

4-1. 補習塾か中学受験対策塾かの違い

小学生が通う塾の費用に差が出る最も大きな違いは、「補習塾(小学校の授業フォローが目的)」か「中学受験対策塾」かの違いです。これについては、2章・3章で説明してきた通りです。

補習塾は、小学校で習う内容を教えるだけなので、難易度が高くなく、講師のレベルもそれほど高い必要がありません。そのため、個別指導であっても月額料金はそれほど高くありません。

一方、中学受験対策塾は「小学校では習わない知識」が問われること、生徒さんを合格させるために質の高い講師を集める必要があること、夏期講習などの季節講習費用が高額になることなどから、費用が高くなる傾向にあります。

4-2. 集団授業か個別指導かの違い

集団授業か個別指導かによっても塾の費用は大きく異なることがあります。特に、中学受験対策塾の場合、生徒さん1人に講師が1人付くような個別指導は、集団授業よりも費用が高くなります

例えば、中学受験対策塾に小学5年生が通う場合、集団授業は週2日~3日で月額3万円~5.5万円程度が相場です。一方、個別指導の場合には、2倍程度の費用がかかり、月額6万円~11万円程度が相場となります。

なお、補習塾の場合は、小学校の授業でわからなかった部分を補う塾なので、集団授業の塾は少なく、個別指導スタイルで進める塾がほとんどです。集団授業と個別指導の価格差はそれほど無いと考えてよいでしょう。

4-3. 授業レベルの高さの違い

授業レベルが低い塾と授業レベルが高い塾では、後者の方が価格も高くなります。なぜならば、授業レベルが高いと、教えられる講師が限られてくるからです。

同じ学習塾の中でも、小学校の授業の範囲からしか出題されない「公立中高一貫校」受験対策のクラスと、通常の「私立や国立中学校」受験対策のクラス、トップクラスの難関中学校の受験対策クラスがあった場合、難しいレベルの授業料の方が高くなります

4-4. 規模や認知度の高さの違い

規模や認知度が低い地域密着型の学習塾と、認知度が高い大手学習塾を比べると、やはり規模や認知度が高い学習塾の方が費用は高くなります

大手になればなるほど、質の高い講師を集めるための人件費や、立地が良い教室にかかる家賃、きれいな自習室などの設備費、認知度を広げるための広告費も高くなるからです。

逆に言えば、規模や認知度が高い学習塾を選んだ方が、さまざまな側面で完備された環境の中で学べるともいえるでしょう。

5. 月額授業料以外にかかる塾の費用もトータルで確認しよう

ここまでは、小学生が通う塾の「月額授業料」の費用がいくらか解説してきました。しかしながら、費用を比較するには、月額授業料以外の費用がいくらかも重要です。

月額授業料が安くても、それ以外にかかる費用が高くて、結果的にはトータル費用が高くなるというケースがあり得るからです。

5-1. 月額授業料以外にかかる塾の費用

月額授業料以外にかかる塾の費用は、塾によって名称は異なりますが、以下のようなものがあります。

【月額授業料以外にかかる塾の費用の例】

費用の名称内容費用の目安
入会金塾を始める時だけにかかる費用1万円~3万円程度(1回限り)
教材費授業で使う教材・書籍の費用0円~年間2万円程度(授業料に含まれる塾も多い)
年会費塾に通うための費用0円~年間3万円程度(かからない塾も多い)
諸費用設備代や通信費など0円~年間3万円程度(かからない塾も多い)
定例テスト代実力を計測するためのテストの費用1回5,000円程度
模試受験費用模試を受けるための費用1回5,000円程度
季節講習代夏期講習など特別講習を受けるための費用1回2万円~10万円程度

どの費用がかかるのか、いくらかかるのかは、学習塾によってかなりまちまちです。

そのため、「1年間を通してトータルいくらになるのか」「小学4年生から通わせた場合に、3年間でいくらになるのか」などを事前に比較・検討することをおすすめします。

なお、中学受験を目指している場合には、定例テスト代や模試受験費用、そして季節講習代がかなり高額になる可能性があります。必ず月額授業料以外の費用も確認しておきましょう。

5-2. 授業料以外の費用が高いとトータル費用が逆転することがある

月額授業料だけを見て小学生の塾の費用を比較してしまうと、安く見えていた塾が、トータルでは高くなる逆転現象が発生することがあるので注意しましょう。

例えば、小学4年生の月額授業料が、A塾は20,000円、B塾は30,000円だったとします。

授業料だけで比較すると、A塾は年間24万円、B塾は年間36万円となり、A塾のほうがかなり安く見えます。

しかしながら、実はA塾は、授業料は安くても他の費用が高く、年間では高くなる特徴があるとしたらどうでしょうか。一方でB塾は、授業料に諸所のテスト費用や教材費も含めるとしたらどうなるでしょうか。

【年間で比較した場合の塾の費用】

費用の名称A塾B塾
年間授業料24万円
授業料はA塾の方がかなり安い
36万円
授業料の備考授業料には、諸々のテスト費用や教材費、冷暖房費、施設利用費用などが含まれています。
入会金2万円2万円
教材費3万円1.5万円
定例テスト代4万円0円
模試受験費用1万円5千円
季節講習代28万円18万円
合計62万円58万円
トータル費用はB塾の方が安い

このように、単純に月額授業料で比較してしまうと、「実際は高かった」となることがあるため注意が必要です。必ず、「授業料以外の料金」と「年間でいくらかかるか」を試算して比較していくことが大事です。

6. 小学生の塾にかける適切な費用は「世帯収入の3%前後」が目安

5章で解説した通り、小学生の塾の費用を比較する場合には、月額授業料だけでなく、それ以外にかかる費用を年単位で書き出して、年額で比較することをおすすめします。

具体的には、

①月額でかかる費用合計×12ヵ月+②年間でかかる費用+③模試やテスト費用④季節講習費用(夏期講習など)

を合計して、比較・検討しましょう。

さらに理想としては、通算でいくらかかるのかも見ておくと安心です。

例えば、小学4年生から通塾させる場合には、小学4年生の費用+小学5年生の費用+小学6年生の費用+入会金を全て合計していくらになるか計算してみましょう。

授業料だけで比較してしまうと、見掛け上は安く見えても実際にはそれほど安くないというケースもあります。必ず、「授業料にどこまで含まれるのか」「授業料以外にかかる隠れた費用はいくらか」を事前に確認しておきましょう。

なお、塾にかける費用は「世帯収入の3%前後が適切」といわれています。無理な費用を払い続けると、基盤となる生活に支障を及ぼしかねないため、適切な費用の目安も知った上で、塾を選ぶようにしましょう。

適切な塾の費用の目安については、「塾の費用は収入の3%が適切!タイプ別・小中高別のデータを基に解説」の記事をぜひご覧ください。

まとめ

本記事では「小学生の学習塾の費用」について解説してきました。最後に、要点を簡単にまとめておきます。

▼小学生の塾の費用は月5千円~月8万円が相場

・通わせる目的や学年によって相場はかなり異なる
・補習塾の場合は、上記の月額授業料以外には費用がかからない塾が多い
・中学受験対策塾の場合は、上記の月額授業料以外に、入会金や教材費、テスト費用、模擬試験費用、季節講習費用がかかる

小学生の【補習塾】の費用相場は月額5千円~2.3万円程度

・小学1年生~小学3年生:月額5千円~1.6万円程度
・小学4年生~小学6年生:月額6千円~2.3万円程度

小学生の【中学受験対策塾】の費用相場は月額1.5万~8万円程度

・小学1年生~小学2年生:月額1.5万円~3万円程度
・小学3年生:月額2万円~3万円程度
・小学4年生:月額2.3万円~4.3万円程度
・小学5年生:月額3万円~5.5万円程度
・小学6年生:月額3.5万円~8万円程度

小学生の塾の費用の差は【4つの違い】によって変わる

・補習塾か中学受験対策塾かの違い
・集団授業か個別指導かの違い
・授業レベルの高さの違い
・規模や認知度の高さの違い

月額授業料以外にかかる塾の費用もトータルで確認しよう

・月額授業料以外にかかる塾の費用:入会金、教材費、年会費、諸費用、定例テスト代、模試受験費用、季節講習代
・授業料以外の費用が高いとトータル費用が逆転することがあるので注意

小学生が通う塾の費用は、通わせる塾の種類や学年によってかなり幅があります。また、授業料以外の費用も塾によってかなり差があります。

塾に通い始める前に、1年でいくらかかるのかや、これから通い始めたら通算でいくらかかるかを明らかにした上で入塾を決めることをおすすめします。