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都立国立高校の偏差値・内申点は?合格ラインと倍率を徹底解説

都立国立高校の偏差値・内申点は?合格ラインと倍率を徹底解説

毎年一万人を超える来場者がある文化祭(国高祭)、活発な部活動、そして難関国公立大学への高い進学実績。『国高(くにこう)』の愛称で親しまれる都立国立高校は、多摩地区の公立トップ校として不動の人気を誇ります。

文教地区に位置する落ち着いた環境と自由闊達な校風に憧れ、「絶対に国高に行きたい!」と願うお子様も多いことでしょう。しかし、保護者様にとって気になるのは、やはりその難易度です。

「どれくらいの偏差値があれば目指せる?」

「内申点はオール5じゃないと無理?」

「自校作成問題って何が違うの?」

この記事では、都立国立高校の最新の偏差値や倍率、合格に必要な内申点の目安、そして合否を大きく左右する自校作成問題の対策について、入試の仕組みを含めて徹底解説します。

都立国立高校の偏差値と難易度の目安

都立国立高校の偏差値と難易度の目安

まずは、客観的な数値データから都立国立高校の難易度を見ていきましょう。都立トップ校(進学指導重点校)の一角として、非常に高い学力が求められます。

偏差値の目安

都立高校受験において最も信頼性の高い模擬試験であるVもぎやWもぎにおいて、都立国立高校の合格可能性60%ラインの偏差値は67~69程度が目安となります。

これは、受験者全体の上位3~4%に位置する成績です。合格を確実なもの(80%以上)にするためには、偏差値70以上をコンスタントに叩き出す実力が必要と言えます。もちろん、これはあくまで共通問題レベルの模試での数値ですので、実際の入試(自校作成問題)では、偏差値以上に応用力が問われることになります。

進学指導重点校としてのレベル感

都立国立高校は、東京都教育委員会から『進学指導重点校』に指定されている7校(日比谷・西・国立・八王子東・戸山・青山・立川)の一つです。

その中でも、日比谷、西に次ぐ『都立御三家』の一角として扱われることが多く、多摩地区においては名実ともにトップの難易度を誇ります。併願校としては、早稲田実業、桐朋、中央大学附属、ICU高校などの難関私立高校を選ぶ受験生が多く、ハイレベルな層が競い合う激戦区です。

都立国立高校の近年の倍率推移と合格ライン

都立国立高校の近年の倍率推移と合格ライン

続いて、合格の狭き門をくぐるために知っておくべき倍率と合格ラインについて解説します。

実質倍率の傾向と男女合同選抜の影響

都立国立高校の一般入試における実質倍率は、例年1.4倍前後で推移しています。

“1.4倍”と聞くと、私立難関校(3倍~5倍)に比べて低く感じるかもしれませんが、受験者のほとんどが模試でA判定・B判定をとっている実力者同士です。その中での競争となるため、実質的な厳しさは数字以上です。

また、現在は男女別の定員枠が撤廃され、男女合同選抜が行われています。これにより、性別に関係なく成績順に合否が決まるため、以前のように「男子の方が倍率が低いから有利(あるいはその逆)」といった読みは通用しなくなりました。純粋な実力勝負となっています。

合格のボーダーラインと英語スピーキングテスト

都立高校の一般入試(第一次募集)は、以下の合計1020点満点で判定されます。

  1. 学力検査(5教科):700点換算(当日点500点を1.4倍)
  2. 調査書点(内申点):300点換算
  3. スピーキングテスト(ESAT-J):20点

都立国立高校の合格ボーダーライン(総合得点)は、年度による難易度の変動はありますが、830点~860点以上が目安と考えられます。

特に注目すべきは、英語スピーキングテスト(ESAT-J)の20点です。1点を争うトップ校入試において、グレードA(20点)とグレードB(16点)の“4点差”は合否に直結します。A判定(20点)を確保しておくことが、合格への最低条件と考えるべきでしょう。

参照元:東京都立国立高等学校「令和8年度 東京都立国立高等学校 受検案内」

都立国立高校の合否を分ける『自校作成問題』の傾向と対策

都立国立高校の合否を分ける『自校作成問題』の傾向と対策

都立国立高校の入試において最大の壁となるのが、国語・数学・英語の3教科で実施される『自校作成問題』です。教科書レベルの共通問題とは次元の異なる難易度であり、ここでの出来が合否を決定づけます。

英・数・国は独自問題!求められる思考力

自校作成問題は、単なる知識の暗記では太刀打ちできません。『思考力』『判断力』『表現力』が深く問われます。

  • 英語:
    長文読解の分量が非常に多く、自然科学や社会問題をテーマにした論理的な文章が出題されます。内容を素早く正確に読み取る速読力に加え、日本語での要約や英作文など、高い記述力が求められます。
  • 数学:
    難易度が高く、途中式や考え方を記述させる問題が出題されます。答えが合っているだけでなく、「論理的に正しいプロセスで解いているか」が採点対象となります。平面図形や関数などの頻出分野において、初見の問題に対応できる応用力が必要です。
  • 国語:
    本文の文字数が多く、抽象度の高い評論文や、時代背景の理解が必要な古文が出題されます。選択問題だけでなく、200字程度の作文や記述問題が含まれ、筆者の主張を的確にまとめる国語力が必須です。

理科・社会は共通問題での“取りこぼしなし”が鉄則

一方で、理科と社会は都立共通問題が使用されます。

自校作成問題(英数国)は難易度が高く、受験者平均点が50点~60点台になることも珍しくありません。そのため、比較的得点しやすい理科・社会でいかに高得点を取るかが重要戦略となります。国立高校を目指すのであれば、理科・社会は90点以上、できれば満点を狙う準備が必要です。ここで失点してしまうと、英数国の難問での挽回が非常に苦しくなります。

都立国立高校合格に必要な内申点と換算内申

都立国立高校合格に必要な内申点と換算内申

当日の試験(学力検査)の比重が高いとはいえ、総合得点の約3割を占める内申点も無視できません。

オール5に近い成績が必要?換算内申の目安

都立入試では、実技4教科(音楽・美術・保体・技家)の内申点を2倍にして計算する『換算内申(65点満点)』が用いられます。

都立国立高校合格者の換算内申の目安は、男子で58~62、女子で60~63程度と言われています(※男女合同選抜移行後も、高い水準であることに変わりありません)。

これを通知表のイメージに置き換えると、以下のような成績です。

  • 5教科:オール5
  • 実技4教科:オール4以上(いくつかは5が必要)

つまり、オール5に近い成績を持っている受験生がボリュームゾーンです。3がある状態では、内申点だけで大きなハンデを背負うことになります。

当日点重視でも内申点が安心材料になる理由

「当日のテストで点数を取れば逆転できる」というのは事実ですが、ハイレベルな戦いの中で「あと10点多く取らなければならない」というプレッシャーは計り知れません。

内申点をしっかり確保しておくことは、当日の精神的な余裕に繋がります。持ち点を高く持った状態で本番に臨むことこそ、合格への第一歩です。そのためには、中1・中2の段階から定期テスト対策を徹底し、副教科を含めて高い評定を取り続ける努力が不可欠です。

都立国立高校の進学実績と特色

都立国立高校の進学実績と特色

最後に、入学後の姿をイメージするために、進学実績と校風について触れます。

難関国公立大への現役合格率の高さ

都立国立高校の進路指導の特徴は、“現役合格”へのこだわりです。

東京大学、一橋大学、東京工業大学(現・東京科学大学)などの最難関国公立大学へ、毎年多くの現役合格者を輩出しています。2025年度入試においても、難関国立大への合格者数が回復傾向にあり、その指導力の高さが証明されています。

学校側も『国公立大学受験』を前提としたカリキュラムを組んでおり、3年間で大学受験に打ち勝つための実力を養成します。

参考:東京都立国立高等学校「令和7年度大学合格状況」

文武両道の伝統と「けじめをつけて、すべてをやり抜く」校風

都立国立高校を語る上で外せないのが、来場者数が1万人を超えることもある『国高祭』です。特に3年生が上演するクラス演劇は、夏休みを返上して作り上げるプロ顔負けのクオリティで知られています。

一見、勉強時間が削られるように思えますが、この全力で何かに打ち込む経験こそが、受験直前期の驚異的な集中力と粘り強さを生み出します。勉強、部活、行事のすべてに妥協しないという経験をした生徒たちは、大学受験という壁もタフに乗り越えていくのです。

都立国立高校合格を目指すなら湘南ゼミナールへ

都立国立高校合格を目指すなら湘南ゼミナールへ

都立国立高校は、高い内申点、ハイレベルな偏差値、そして自校作成問題への対応力が求められる、都内屈指の難関校です。

  • 内申点: 換算内申60以上(オール5に近い成績)を目指す。
  • 学力: 偏差値68以上を安定させ、理社は満点を狙う。
  • 対策: 思考力・記述力を問う『自校作成問題』の対策を早期から行う。

これらを独学で、あるいは一般的な学習塾のカリキュラムだけで対策するのは容易ではありません。特に自校作成問題は、単なる暗記ではなく「自ら考え、答えを導き出す力」が不可欠だからです。

湘南ゼミナールで「合格する思考力」を身につけませんか?

湘南ゼミナールには、都立国立高校をはじめとするトップ校合格へ導くためのノウハウがあります。

1.思考力を鍛える「QE授業」

テキストを使わず、講師の問いかけに対して生徒が瞬時に考え、答える。この繰り返しにより、自校作成問題攻略に不可欠な「思考の瞬発力」と「本質的な理解」を深めます。

2.徹底した定期テスト対策

高い内申点を確保するため、学校別の定期テスト対策を実施。主要5教科だけでなく、実技教科へのアドバイスも含め、内申点アップを全力でサポートします。

3.難関校対策講座

中3からは、自校作成校の問題傾向に特化した対策講座を開講。記述問題の添削指導や、スピーキングテスト(ESAT-J)対策も万全に行います。

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