湘ゼミコラム

公立中高一貫校受検

神奈川県の中学受験の特徴|私立・公立中高一貫校の受検動向など解説

神奈川県で小学生のお子様をお持ちの方の中には、「中学受験ってやっぱりした方が良いのかな?」「周りに中学受験させる人がいるけれど、うちはどうしよう?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

実は、神奈川県を含む1都3県の中学受験率は「約23%」と高い水準にあります。5人に1人の小学6年生が受験している計算です。

「公立中学ではない、別の選択肢を用意してあげたい」と考える親御様が多いようです。

この記事では、神奈川県で中学受験させる方が多い理由を解説したあと、中学受験する場合の情報など詳しく説明していきます。

この記事を読むとわかること

・中学受験の3つの選択肢(公立中高一貫校/私立中学校や中高一貫校/国立の中学校)

・中学受験させるか迷ったら確認すべき2つのポイント

・神奈川の中学受験の特徴

・志望校の選び方

公立中高一貫校と私立中学の違いなども含めて、神奈川県の中学受験の動向をざっくり理解したいという方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

1. 神奈川を含む1都3県の中学受験率は年々上がっている

神奈川県で「子どもに中学受験させた方が良いだろうか」と考えている親御様の中には、「いったいどのくらいの人が中学受験させてるんだろう」「みんな中学受験するものなんだろうか」と悩んでいる方も多いかもしれません。

結論から言うと、神奈川を含む1都3県の中学受験率は「約23%」と高い水準にあるといえます。

産経新聞の記事によると、令和5年(2023年)に神奈川を含む1都3県で国私立校と公立中高一貫校を受験した小学6年生は約6万7600人にのぼり、同学年の児童全体に占める割合(受験率)は22.95%で過去最高となったことが明らかになっています。

実に、5人に1人以上の小学6年生が中学受験をしている計算となります。例えば、小学6年生の1クラスが30人だとしたら、約7人は中学を受験しているというイメージです。

参考:首都圏の中学入試、受験率過去最高に 保護者の「情報戦」

2. 神奈川県で中学受験が増えている理由5つ

神奈川県に住む小学生の中学受験人気が加速しているのには、以下のような理由があると考えられます。

神奈川県で中学受験が増えている理由5つ

・難関大学合格には中学受験が近道と考える方がいるから

・早くから学習習慣を身に付けさせたいから

・グローバル教育やAI分野など特色のある教育を受けられるから

・指定されている公立中学校が荒れているから

・難関校以外にも中学受験の選択肢が多いから

それぞれ詳しく見ていきましょう。

2-1. 難関大学合格には中学受験が近道と考える方がいるから

神奈川県で中学受験が増えている原因として、中学受験した方が難関大学合格への近道と考える方が多いから、という理由があります。根底には、親御様の「将来良い大学に入ってほしい」という願いがあります。

2021年から始まった「大学入試改革」によりセンター試験が大学入学共通テストに変わり、2025年からはさらに教科・科目の再編など大掛かりな変更が予定されています。

目まぐるしく変わる大学入試に対して「公立中学では対応できないだろう」「公立中学を経て、高校受験をしてからでは間に合わないのではないか」という不安が広がっています。

親御様たちの間では「大学受験に向けて、とにかく早くから勉強習慣を身に付けたい」「大学入試に強い私立中学に通わせたい」「大学受験を受けなくて済むような私立大学の付属高校へ通わせたい」という気持ちが高まっているのでしょう。

例えば、近年は公立だけでなく私立でも中高一貫校の人気が高まっています。中高一貫校の場合、高校2年生までに一通りの高校の勉強を終えて、高校3年生の授業では受験に向けた対策を行うのが通常です。

例えば、神奈川県の高校から難関大学(東大・京大・一橋大・東工大など)に合格した生徒さんの数を学校ごとにランキングすると、聖光学院高校、栄光学園高校、浅野高校、洗足学園高等学校など、上位10校中8校が中高一貫校となるというデータがあります。

中高一貫校でない高校は、横浜翠嵐高校と浅野高校の2校のみです。もしも、東大・京大のような超難関国立大学に行かせたいならば「中学受験をして私立の中高一貫校に行かせたほうが良さそう」と考える親御様が増えるのもうなずけるでしょう。

このような状況が要因となり、「良い大学に行かせたい」という親御様ほど、高校受験よりも早めの「中学受験」を選択することが多くなっていると考えられます。

2-2. 早くから学習習慣を身に付けさせたいから

2-1とも関連しますが、早くから学習習慣を身に付けさせて、高校・大学と良い教育を受けさせたいという親御様が多いのも理由のひとつでしょう。

中学受験に向けて早くから学習習慣を身に付けさせ、さらには中学に進学後もレベルの高い環境に身をおいて自主性や自律性を身に付けさせたいという方が多いのではないでしょうか。

神奈川県の公立高校の大学合格実績と比較すると「私立中高一貫校の方が高い」という状況があるため、早い段階から大学受験に備えたいと考える家庭が増えています。

2-3. グローバル教育やAI分野など特色のある教育を受けられるから

神奈川県の私立中学校や中高一貫校では専門性の高い授業を受けることが多く、特色のある教育を受けさせられるというのも人気の理由です。

地域にある公立中学校では、学習指導要領に則った画一的な教育しか受けられません。しかしながら、私立中学校や中高一貫校などでは、グローバル教育やIT教育に特化したカリキュラムがあるなど、特色のある教育を受けることができます。

2-4. 指定されている公立中学校が荒れているから

神奈川県の一部の公立中学校は、荒れていていじめなども多く、「その中学校に行かせたくないから中学受験させる」という親御様もいるようです。

中学受験をして公立中学校以外に行く生徒さんが増える中、公立中学校に通うのは「中学受験をしなかった人たち」となります。

全ての公立中学校ではありませんが、神奈川でも荒れている生徒さんが多いエリアでは、より良い中学校生活を受けさせたいという理由から「公立中学校以外に行かせたい」というニーズもあるのです。

また、コロナ禍では多くの公立中学校で授業が中断する状況が続きました。一方で、すでにICT化が進んでいる国私立中学校ではオンライン授業の体制が整っていたため、遠隔ながらも授業を進めることができる状況でした。

このような状況からも、より良い環境を求めて中学受験する方が増えていると考えられます。

2-5. 難関校以外にも中学受験の選択肢が多いから

2-4に関連して、神奈川県の場合、難関私立中学以外にも、偏差値があまり高くない私立中学もたくさんあるという状況があります。このように「難関校以外の選択肢が多い」という状況も、中学受験をさせたい親御様の希望を後押ししています。

これが地方の方だと、「中学受験したいけれど、偏差値レベル的に合格できる中学がない」という状況もありえます。しかしながら、神奈川県の私立中学の場合、偏差値40未満のレベル感の中学校も多数存在しています。

そのため、「地元の公立中学校には行かせたくない」「だけど難関校に合格できる成績ではない」という生徒さんでも受け皿となる中学校があるのです。このような理由から、神奈川県の中学受験はさかんに行われていると言えるでしょう。

3. 神奈川県で中学受験する場合の選択肢3つ

ここからは、神奈川県に住む方が中学受験する場合の選択肢3つについて解説していきます。

神奈川で中学受験する場合の選択肢は、①神奈川県の公立中高一貫校(5校)②首都圏の私立中学校・中高一貫校③国立中学校(国立大学附属中学校)があります。

3-1. 神奈川の公立中高一貫校5校

選択肢1つ目は、神奈川県内にある公立中高一貫校です。

公立中高一貫校は、公立並みの教育費で高いレベルの教育が受けられるため、人気が集中しています。さらに、試験の出題範囲が小学校で習う範囲に限定されており、私立と比べると学習コストが抑えられるメリットもあります。

2020年度からの過去3年間の実質倍率はおよそ4倍~6倍超という、まさに「狭き門」となっています。

現在、県立中等教育学校と市立高校の附属中学を合わせて、以下の5つの中高一貫校があります。

・横浜市立南高等学校附属中学校
・横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校附属中学校
・神奈川県立相模原中等教育学校
・神奈川県立平塚中等教育学校
・川崎市立川崎高等学校附属中学校

公立中高一貫校については、「【2023 中学受験】神奈川県の公立中高一貫校を解説!学校の特徴は?倍率は??」の記事でさらに詳しく解説しています。

3-2. 首都圏の私立中学校・中高一貫校

神奈川県で中学受験する場合、私立中学校や私立中高一貫校もメインの選択肢となるでしょう。

なお、私立学校の場合は、公立と異なり、学校所在地の都道府県に住んでいなくても受験できるケースがほとんどです。

※ただし、自宅から通学できることを条件にしているケースが多い。

そのため、神奈川県内だけでなく、近隣の東京都や埼玉県、千葉県などの私立中学校や中高一貫校を受ける選択肢もあります。

なお、難関私立中学校だけでなく、偏差値がさほど高くない私立中学校を受ける家庭も多くあります。例えば、「学区制で行く予定の公立中学校が荒れている」「高校受験よりも早く受験させてほしい」「環境が整った私立高校で早めに大学受験対策を始めたい」などが理由です。

偏差値に関係なく、私立中学校や中高一貫校で、公立中学校では得られない経験をさせたい親御様は、私立を検討してみるのが良いでしょう。

3-3. 国立中学校(国立大学附属中学校)

その他の選択肢として、国立中学校(国立大学附属中学校)を受けるという選択肢もあります。

首都圏にある国立中学校は全て、国が運営している大学教育学部の附属の中高一貫校となっています。公立中高一貫校と同様に授業料が安く、先進的で特色のある教育を受けられるのが特徴です。

首都圏にある国立中学校(国立大学附属中学校)は12校ありますが、それぞれの学校ごとに「通学区域」が設定されています。通学区域内に住んでいなければ受験資格がないので注意しましょう。

例えば、東京都にある「筑波大学附属中学校」は、神奈川県だと7市の特定のエリアに住んでいる方のみ通学区域内となり、受験資格があります(2024年度から通学区域が広がりました)。

通える国立中学校がどこかをしっかり確認した上で、受験情報を集めていきましょう。

4. 神奈川で中学受験させるか迷ったら確認すべき2つのポイント

ここまで、神奈川県で中学受験する場合の状況や選択肢について解説しました。結局のところ「中学受験したほうが良いのか?」という選択で迷ったら、以下のことを確認してみましょう。

4-1. 進学する公立中学校の評判

中学受験をすべきか迷っている場合にまず確認してほしいのが、進学予定の公立中学校の評判です。

中学受験しない場合に進学するのは、住んでいる地域(学区)ごとに決められている公立中学校となります。お住まいの地域の市町村名と「中学校 通学区域」などと調べれば、お子様が通う公立中学校がどこかわかります。

中学校名がわかったら、「中学校名+評判」「中学校名+口コミ」などで調べると、実際に通っていた親御様などが書き込んだ評判を調べることができます。

あまりに「いじめが多い」「荒れている」「学力が低い」などの口コミが多い場合には、その環境にお子様を通わせたほうが良いのか考えてみることをおすすめします。

※神奈川県の一部の市町村では、事情によっては、指定学校ではなく隣接校に通える制度を設けている自治体もあります。例えば、厚木市では、転居や教育的配慮などの事情によっては、指定学校変更を申請することができます。

参考:厚木市|指定学校変更について

お住まいの自治体で指定学校変更制度があるか、どのような事情なら変更が可能かも調べておくと良いでしょう。

4-2. 公立中高一貫校の費用(公立中と変わらない費用で通える)

「中学受験させたい気持ちはあるものの、費用がネックとなっている」という方は、公立中高一貫校に通った場合の費用を確認してみることをおすすめします。

私立中学校や私立中高一貫校はやはり学費が高いですが、実は、公立の中高一貫校ならば、公立中に通わせるのとあまり変わらない学費で済みます

公立中高一貫校に通わせた場合、前期課程(中学3年間に該当)の部分は、義務教育なので入学金や授業料はかかりません。また、後期課程(高校3年間に該当)の部分も授業料無償化が実施されていることから、公立高校に通わせた場合と同等にかからないケースが多いでしょう。

つまり、公立中高一貫校の授業料は、公立中学校+公立高校に進学した場合と同じで、ほとんどかからないと考えて良いでしょう。

ただし、公立中高一貫校に通う場合は、①家から遠い場合に交通費が高くなる、②塾に通う生徒さんが多いため塾代がかかる、③カリキュラムに海外ホームステイなどがある場合にその費用がかかる、という可能性があります。

授業料は公立中学校並でも、それ以外の部分では、公立中学校に通った場合よりも費用がかかる可能性が高い点に注意しましょう。

このように、費用面から中学受験を諦めようとしている家庭の受け皿になっているのが公立の中高一貫校です。そのため、神奈川県でも中高一貫校の人気はかなり高く、偏差値もかなり高くなっています。

5. 神奈川県の中学受験の特徴

ここからは、神奈川に住んでいる方で「中学受験に通わせてみよう」と言う方に、神奈川県の中学受験の特徴や最近の傾向について解説していきます。

5-1. 神奈川県の中学受験は【2月1日~7日】に集中している

神奈川県の中学受験は、2月1日〜2月7日の短期間に集中して試験(検査)が行われます。

神奈川県の公立中高一貫校の検査日は、2024年2月3日です。

神奈川県の私立中学校の入学者選抜は、2024年2月1日以降に一斉にスタートし、2月7日まで行われます。ほとんどの学校の第1回入試が、2月1日〜2月3日の間に実施されるのが特徴です。

公立中高一貫校と私立中学を併願する方は、2月1日・2日で併願の私立中学を受験し、2月3日に本番を迎えるという方が多いでしょう。公立中高一貫校を単願する方は、2月3日が検査当日です。

なお、埼玉県では1月10日から、千葉県では1月20日から私立高校の受験がスタートするため、千葉や埼玉の1月入試を試し受験する方も多くなっています。東京都は、神奈川と同じく2月1日から受験スタートとなります。

神奈川県の中学受験は日にちが集中しているため、この時期に向けて体調を万全にするとともに、スケジュールに合わせて併願校を決めていくのがポイントとなります。

-2. 教育費が安い公立中高一貫校の人気が高い

4-2でも解説した通り、教育費が安いにもかかわらずレベルが高い教育を受けられる学校として、神奈川県の公立中高一貫校の人気が高まっています。

人気が高まっていることから合格基準も厳しくなっており、偏差値レベルは56〜65程度を要求されます。

2020年度からの過去3年間の実質倍率はおよそ4倍~6倍超という、まさに「狭き門」となっています。

-3. 私立中学校はさまざまなレベルで選択肢も多い

公立中高一貫校の人気が高い神奈川県ですが、私立中学校の選択肢も多く、私立中学校の数は58校ほど存在しています(中等部や中高一貫校を含みます)。

神奈川県の場合、難関私立中学はもちろん、偏差値レベルがさほど高くない中学校もあるのが特徴です。偏差値レベルは33から65ぐらいまでと幅があります。

必ずしも勉強が得意ではないお子様でも、私立中学を受験して通うことができます。「勉強が苦手だけど、公立中学ではなくて受験させたい」という親御様の受け皿にもなっています。

6. 神奈川県の中学受験で人気の中学を紹介

ここからは、神奈川県の中学受験を考える上で、人気の中学をいくつか紹介していきます。

6-1. 神奈川県の公立中高一貫校5校

神奈川県の公立中高一貫校は5校それぞれが人気校です。

【神奈川県の公立中高一貫校5校と倍率】

学校名倍率(2023年の受検倍率)
神奈川県立相模原中等教育学校6.14倍
神奈川県立平塚中等教育学校4.61倍
横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校附属中学校5.84倍
横浜市立南高等学校附属中学校5.41倍
川崎市立川崎高等学校附属中学校4.70倍

上記のように、どの公立中高一貫校も倍率がかなり高くなっている点に注意しましょう。

神奈川県の公立中高一貫校については、「【2024 中学受験】神奈川県の公立中高一貫校を解説!学校の特徴は?倍率は??」の記事でさらに詳しく解説しています。

6-2. 神奈川県内の私立中学校・私立中高一貫校

神奈川県の私立校といえば、男女御三家といわれる6校です。

男子は栄光学園・聖光学院・浅野、女子はフェリス女学院・横浜雙葉・横浜共立学園が「男女御三家」といわれる人気の高校です。

共学校としては桐光学園中学や桐蔭学園中等教育学校などが人気ですが、いずれも男女別学となっており共学といえども男子校・女子校のような生活となります。

その他、鎌倉学園中、洗足学園中、横浜女学院中、カリタス女子中なども人気です。大学附属校としては、慶應普通部、慶應湘南藤沢中等部、日大藤沢中などが人気です

7. 神奈川で中学受験する場合の志望校の選び方

神奈川県で中学受験することを決めた場合に、どうやって志望校を選んでいけばいいかを簡単に解説していきます。

7-1. 国立中・公立一貫校と私立中学校の違いを知る

まずは、国立中や公立中高一貫校を第一志望にするのか、それとも私立中学校を第一志望にするのかを決めていきます。そのために、まず、それぞれの特徴を知っていきましょう。

国立中学や公立中高一貫校に通わせるのと、私立中学に通わせるのでは、学費にかなりの差が生まれます。

【国立中・公立中高一貫校と私立中学校の学費の違い】

国立附属中学校・公立中高一貫校私立中学校
6年間の授業料無料400万円〜
1,000万円程度
その他かかる費用
(中学校)
3年間で
約162万円
3年間で
約430万円
その他かかる費用
(高校)
3年間で
約154万円
3年間で
約316万円

※出典:令和3年度 文部科学省「子供の学習費調査」より千円単位を四捨五入

※その他かかる費用には、制服や教材費、給食費、習い事や学習塾代などが含まれています。

公立中高一貫校は、学費を抑えつつも大学進学でも高い成果を挙げており、近年人気が高まっています。一方で、私立中学校は、私立大学にそのまま進めるが附属中が人気だったり、専門的な分野を学ぶための教育方針がしっかりしていることが人気の理由です。

-2. 模擬試験を受けてお子様の偏差値を確認する

国立中学校と公立中高一貫校、私立中学校の違いを知った上で、次にお子様がどのあたりを狙っていけるか確かめるために、模擬試験を受けて偏差値を確認する必要があります。

偏差値とは、テストを受けた母集団の中で、お子様がどのぐらいの位置にいるかを表したものです。偏差値は志望校を決める上でとても重要なものなので、中学受験を決意したならば早めに模試で確認しましょう。

例えば、「お金が無いから絶対に公立中高一貫校に行ってほしい!」という希望があったとしても、神奈川県の公立中高一貫校の偏差値は56〜65程度と結構高めになっています。もし模試の結果、偏差値が30だったら、合格までかなり努力が必要ということがわかります。

※なお、小学生の時点の偏差値は、高校受験や大学受験の偏差値よりもだいぶ低めに出るので注意が必要です。

大学受験で「偏差値40」というと下位のイメージがあるでしょうが、中学受験においての「偏差値40」は結構上位に位置することがあります(母集団によってかなり偏差値は前後します)。

偏差値について詳しく理解したい方は、「高校受験の偏差値とは?偏差値60は上位何%?仕組みを丁寧に解説」の記事をぜひご覧ください。高校受験をメインに解説している記事ですが、仕組みをわかりやすく理解できると思います。

-3. 模試の結果や偏差値に応じた志望校をピックアップする

模試の結果や偏差値を見ながら、志望する中学校の候補をピックアップしていきます。ここで、公立中高一貫校を第一志望にするのか、それとも私立中学校を第一志望にするのか、併願で受かった中学に行くのかなど、戦略を決めていきましょう。

もちろん、模試の結果や偏差値だけでなく、校風が自分に合うかどうかも一緒に考えていく必要があります。学校説明会などのイベントに積極的に参加して、中学校の雰囲気が合うかどうか肌で感じることも重要です。

-4. 受験日程も考慮した上で志望校・併願校・お試し校を選ぶ

受験日程も考慮した上で、最終的に受験する中学校を決めます。

第一志望を決めてから、受験日程を考慮した上で併願校を決めていきます。なお、いきなり第一志望の試験を受けると緊張してしまうため、できれば「お試し受験」の中学校も併願しておくことをおすすめします。

例えば、神奈川県の中学受験は2月1日からスタートしますが、1月から試験が始まる千葉県や埼玉県の試験をお試しで受験し、試験当日の雰囲気に慣れておくのがおすすめです。

前述した通り、神奈川県の中学受験は2月1日から2月3日に集中して行われます。スケジュールを工夫して、万全の体制で受験できるよう準備を整えましょう。

まとめ

本記事では、神奈川の中学受験事情について解説してきました。最後に、要点を簡単にまとめておきます。

神奈川を含む1都3県の中学受験率は年々上がっている

・神奈川を含む1都3県の中学受験率は「約23%」と高い水準
・実に、5人に1人以上の小学6年生が中学受験をしている計算

神奈川県で中学受験が増えている理由5つ

・難関大学合格には中学受験が近道と考える方がいるから
・早くから学習習慣を身に付けさせたいから
・グローバル教育やAI分野など特色のある教育を受けられるから
・指定されている公立中学校が荒れているから
・難関校以外にも中学受験の選択肢が多いから

神奈川県で中学受験する場合の選択肢3つ

・神奈川の公立中高一貫校5校
・首都圏の私立中学校・中高一貫校
・国立中学校(国立大学附属中学校)

神奈川県の中学受験の特徴

・神奈川県の中学受験は【2月1日~7日】に集中している
・教育費が安い公立中高一貫校の人気が高い
・私立中学校はさまざまなレベルで選択肢も多い

神奈川で中学受験する場合の志望校の選び方

・国立中・公立一貫校と私立中学校の違いを知る
・模擬試験を受けてお子様の偏差値を確認する
・模試の結果や偏差値に応じた志望校をピックアップする
・受験日程も考慮した上で志望校・併願校・お試し校を選ぶ

神奈川で中学受験を検討している場合、早めに情報収集を行い、志望校に合わせた準備を行うことが大切です。まずは模試を受けてみる、季節講習に参加してみるなど、初めの一歩を踏み出してみましょう。