湘ゼミコラム

公立中高一貫校受検

公立中高一貫校の対策塾はいつから?状況別のベストな通塾タイミング

「子どもに公立中高一貫校に通わせたい場合、いつから塾に通わせればいいかな?」

「公立中高一貫校の対策は遅くても良いと聞いたけど、それって本当?」

公立の中高一貫校を目指しているお子様の受検対策を、いつから本格的に始めればいいのか、お悩みの親御様は多いのではないでしょうか。

結論からいえば、しっかりと基礎ができているお子様なら、公立中高一貫校の対策塾は「小学5年生の2月から」でもぎりぎり間に合います

なぜならば、難易度の高い問題が出る私立中学校受験と違い、公立中高一貫校の受検では「小学校で習ったこと」しか問われないからです。

この記事を読めば、公立中高一貫校の受検対策として「いつから塾に通えばいいか」を、お子様の学力などから判断できます。また、時期ごとに「いつから何をすれば良いか」についても解説していきます。

1.【結論】公立中高一貫校の受検対策の塾はいつから通うべき?

公立中高一貫校に合格したい場合、「いつから塾に通い始めれば良いのか」悩んでいる親御様は多いでしょう。

入塾するタイミングに迷ったら、以下を参考にしてください。

公立中高一貫校受検で塾に通うタイミング

・公立中高一貫校は私立中より遅くて良い

・どんなに遅くても「小5の2月」から通うべき

・小3~4から塾に通って基礎を作るのがベスト

理由について詳しく解説していきます。

1-1.【基礎知識】公立中高一貫校は私立中より遅い対策でも間に合う

公立中高一貫校に合格するための塾は、学習習慣ができているお子様ならば、最遅で「小5の2月から」でも間に合うといわれています。

「そんなに遅くて大丈夫なの?」と心配になる親御様もいるかもしれませんが、公立中高一貫校だからこそ大丈夫なのです。なぜならば、私立中学と違い、小学校で習った学習がベースに選考が行われるからです。

公立中高一貫校の受検対策の特徴

・報告書(調査書)+適性検査+作文+面接などで合否が決まる

・適性検査の出題内容は「小学校で学習した内容」の範囲内

私立中学の受験のように、小学校で学習する範囲を超えた発展的な内容は問われません。そのため、小学校の授業に真面目に取り組んでいるお子様であれば、それほど早くから塾に通い始める必要がないのです。

多くの塾の公立中高一貫校クラスは小学校5年生からスタートしますし、5年生からの2年間や、5年生の終わりから1年間で対策している生徒さんはいらっしゃいます。

※神奈川県の公立中高一貫校については「【2024 中学受検】神奈川県の公立中高一貫校を解説!学校の特徴は?倍率は??」の記事もご覧ください。

1-2.どんなに遅くても「小5の2月」から通うべき(学習習慣ができている場合)

あらためて結論をいうと、公立中高一貫校の受検対策として塾に通い始める時期は、どんなに遅くても「小5の2月」から通うべきです。

小学5年生の2月からというのは、「塾の新小学6年生」の授業がスタートするタイミングです。このタイミングから通い始めることができれば、適性検査の日まで1年間対策が可能です。

ただしこれは、あくまで最も遅いタイミング(最終リミット)で、学習習慣ができているケースの場合です。学習習慣ができていない場合や勉強が苦手な場合は、小3や小4など、もう少し早いタイミングでスタートするのがおすすめです。

なお、小学6年生に進級してからのタイミングでは、対策が間に合わないリスクがあるので注意しましょう。

1-3. できれば小3~4から塾に通って基礎を作るのがベスト

公立中高一貫校の受検に特化した塾に通い始めるのは小学5年生の2月からでも構いませんが、できれば、小学校3年生や4年生から塾に通って、学習習慣や基礎的な勉強を身に付けるのがおすすめです。

小3・小4小5・小6
基礎学力を身に付ける時期公立中高一貫校の受検対策を行う

そうはいっても、公立中高一貫校の受検対策講座は小5から始まる学習塾がほとんどです。

小3・4のうちは、補習塾と呼ばれるような「授業の予習・復習を行う塾」に通うのが一般的です。ここでしっかり基礎学力を身に付けることが、公立中高一貫校の合格にとても大切です。

2. 状況別まとめ|公立中高一貫校の対策で塾にいつから通うか

お子様の学習状況別に、塾に通い始めるおすすめのタイミングをまとめました。

2-1. 学習習慣ができていて基礎学力がある方:どんなに遅くとも小5の2月

学習習慣ができており、小学校の授業の内容を理解できているお子様は、小学5年生の2月から始まる「公立中高一貫校対策」のクラスを受けることでも十分合格を狙うことができるでしょう。

学習習慣ができているというのは、何を言わなくてもお子様が自分から毎日勉強に取り組む日課ができている状態をいいます。例えば、学校のテスト対策のために進んで勉強の時間を取れていれば、学習習慣ができているといえるでしょう。

また、基礎学力があり、普段の授業の理解度があることも条件です。例えば、学校のテストで8・9割程度取れていれば、基礎学力はバッチリ身に付いていると判断できるでしょう。

2-2. 勉強の習慣が付いていない・勉強が不得意:小3・小4から

勉強の習慣がまだ定着していない場合や、早めに対策を始めないと不安という方は、小学3年生・小学4年生から塾に通い始めると安心です。

例えば、「毎日勉強する習慣が付いていない」「定期テストや単元テストで7割以下しか点数が取れない」「学校の授業でわからないところがある」のようなケースは、早めに塾に通い始めることをおすすめします。

ただし、公立中高一貫校対策講座は、小学5年生や小学6年生から始まる学習塾も多いため、基礎学力を身に付ける一般的な総合クラスに通うのが一般的でしょう。

学習塾によっては、早いタイミングから公立中高一貫校対策講座に通えるところもあります。

例えば、湘南ゼミナールの「公立中高一貫コース」は、小3から通い始められます。早いタイミングから対策講座に通える学習塾を選択するのもおすすめです。

2-3. 通知表の評価が低い:小学3年生・小学4年生から

通知表の評価が低いお子様も、小学3年生・小学4年生などできるだけ早いタイミングで塾に通い始めることをおすすめします。

通知表とは、学期の終わり(長期のお休み前)にもらうもので、各教科の成績を数値や文章で表現したものです。

通知表はそのまま公立中高一貫校の受検に影響するものではありませんが、通知表の評価が悪い場合、報告書(調査書)の評価も悪くなる可能性があるため早めに対策する必要があります

ほとんどの公立中高一貫校では、報告書(調査書)と適性検査(試験当日のペーパーテスト)の合計スコアで合否が決まります。合格するためには報告書(調査書)の評価を上げる必要があるのです。

通知表の評価が低いということは、その時点での基礎学力が足りていなかったり、勉強に取り組む態度が後ろ向きと判断されていたりすることが考えられます。早いうちに通知表の評価を上げておくことが、報告書(調査書)の評価アップにも直結します。

そのため、できるだけ早いタイミングで塾に通って基礎学力を上げて、小学校のテストで良い点を取れるようになり、勉強に主体的に取り組むようになることが大切です。

3. 公立中高一貫校に合格するためにいつから何をすべきかリスト

ここからは、公立中高一貫校に合格するために、いつから何をすべきかを解説していきます。

【公立中高一貫校に合格するためにいつから何をすべきかリスト】

小学3年生までいろいろな体験をさせて思考力を育てておく
小学4年生まで①基礎学力や学習習慣を定着させる
小学4年生まで②報告書(調査書)の対策を行っておく
小学5年生から作文の対策を始める
小学5年生の2月から入塾して本格的な志望校対策を始める

3-1. 小3まで:いろいろな体験をさせて思考力を育てておく

公立中高一貫校の受検では、小学校で習う範囲内とはいえ、教科を横断した総合力を問う問題が出題されます。また、作文では社会的なテーマや身の周りの事柄をテーマに出題されます。

作文の出題例

・ロボットと人間はコミュニケーションをとることができるのでしょうか。あなたの考えについて、そう考える理由と具体例をあげながら書きなさい。

・「やってみると、興味がでてくる」ということについて、あなたはどう思いますか。あなたの考えを書きなさい。

・意見の違いとコミュニケーションという題で作文を書きなさい。

普段からいろいろな体験・経験をさせておき、身の周りのことから社会的なことまで、さまざまな事柄に興味を持つきっかけを作っておくのがおすすめです。

例えば、博物館や美術館に行ったり、キャンプや釣りや虫捕りに行ったり、クラシックコンサートに行ったり、プログラミングや3DプリンターやAIなど最新の技術に触れたりと、いろいろな経験で視野を広げておくことが大切です。

また、普段からお子様とさまざまなテーマについて議論を交わして、お子様の思考力を伸ばしたり、自分の考えを表現できる力を育てておくと良いでしょう。

3-2. 小4まで①:基礎学力や学習習慣を定着させる

公立中高一貫校の適性検査(筆記テスト)に向けた具体的な対策は小学5~6年生からで構いませんが、それまでに基礎学力や学習習慣を定着させることが大切です。

基礎学力や学習習慣が定着している目安

・学校のテストで、8~9割の点数を取れている

・授業に問題なく付いていくことができている

・毎日家で勉強する習慣が付いている

・小学3年生や4年生の時点での共通テストで平均点以上取れている

適性検査で出題される問題は、小学校で習う教科がベースとなるので、そこで問われる基礎学力を底上げしておくのが目標です。

3-3. 小4まで②:報告書(調査書)の対策を行っておく

また、同時に、小学校の先生に依頼して書いてもらう「報告書(調査書)」対策を行っておくことが大切です。

報告書(調査書)で高い評価を得る方法

・授業中の態度を良くする(先生の話をしっかり聞く、ノートを取る、積極的に発言する)

・英検や漢検など、学校以外での試験の合格実績を伝えておく

・委員会やクラブ活動などにも積極的に参加する

3-4. 小5から:作文の対策を始める

「作文が苦手」というお子様は、小学5年生から少しずつ作文の対策を始めていきましょう。

神奈川県の公立中高一貫校では、適性検査で作文があります。資料をもとに情報を取捨選択して、文章を構成して論理的にアウトプットする力が求められます。

限られた時間の中で、資料を正しく読み取り、自分の考えを指定された文字数内で簡潔に論理的に表現する練習をしていきましょう。

本格的な作文対策は、小学6年生になってからでも良いので、まずはたくさん文章を書いて、作文になれることが大切です。1日1本書くなど作文をする習慣を身に付けるのがおすすめです。

3-5. 遅くとも小5の2月から:入塾して本格的な志望校対策を始める

遅くとも小5の2月(新小6)から、本格的な志望校対策を始めていきましょう。

基礎となるのは小学校で学んだ内容ですが、志望する中高一貫校によって問題の傾向や出題形式が違うことがあるので、しっかり対策していきましょう。

4. 公立中高一貫校の受検はスケジューリングと添削指導が重要

ここまで、公立中高一貫校に合格するために「いつから塾に通うか」「いつから何をすればいいのか」について解説しました。

公立中高一貫校の出題範囲は小学校で習ったことなので、「そこまで難しくないのではないか?」と思う親御様も多いかもしれません。

しかしながら、実際には、学費が安いのに先進的なカリキュラムで学べる公立中高一貫校はとても人気で、倍率も5倍を超える学校がほとんどです。

特に、小学5年生から対策を始める場合など、限られた時間の中で効率的に公立中高一貫校の合格を手にするには、スケジューリングと添削指導の質が重要となります。

4-1. 練習量を確保するためのスケジューリング

公立中高一貫校の問題は、データを正しく解読する力や問題点を見つける力などが必要で、1つの問題にかかる時間が長いのが特徴です。

問題自体の難易度は高くなくても、慣れるまでは時間がかかり、何度も練習が必要となります。練習量を確保するためには、計画的に長期的なスケジュールやカリキュラムが必要となります。

中高一貫校専門ではない個別指導の塾や家庭教師で対策を行う場合、お子様のペースに合わせてしまうと、「1回の授業で1問〜3問しか解けないで終了してしまった」ということも多くあります。

場当たり的に授業を浪費することになり、十分な受検対策が遅々として進まない危険性があるので注意しましょう。

4-2. 添削指導の質

前述したとおり、公立中高一貫校の適性検査の「作文」では、問題を解いた後の添削指導(フィードバック)の質がとても重要です。

作文問題では、思考力や読解力、論理的に表現する力などが問われます。

いくら文字数制限に収まっていても、正しく問題を読み取れていなかったり、論理的な展開でなかったりした場合には減点の対象となります。

「どこがいけなかったのか」「どこをどう直した方が良いのか」など、的確な添削指導を受けることが重要となります。

5. 公立中高一貫校に合格するための塾の選び方

最後に、公立中高一貫校に合格するための塾の選び方を解説していきます。

5-1. 公立中高一貫校対策のカリキュラムがある塾を選ぶ

公立中高一貫校に合格するためには、「公立中高一貫校対策」のクラスやカリキュラムがある塾を選びましょう。

ここまで解説した通り、公立中高一貫校は、私立中学校受験とはかなり違う勉強法が必要となります。また、基礎学力を伸ばすのとは別の「受検対策」が必要となります。

そのため、総合的な学力を伸ばす補習塾ではなく、公立中高一貫校に特化したカリキュラムが必要です。

4章でも解説した通り、公立中高一貫校に特化した内容の練習を繰り返し行えるカリキュラムや、的確な添削指導を重視して、学習塾を選定しましょう。

5-2. 受検したい公立中高一貫校の合格実績が多い塾を選ぶ

志望校の合格実績が多い学習塾を選ぶことも、重要なポイントです。

それぞれの学習塾が、行きたい学校についてどのくらい合格者を出しているか調べてみましょう。

例えば、神奈川県の公立中高一貫校「横浜サイエンスフロンティア高等学校附属中学校」の場合、合格実績は以下のようになっています。

【学習塾ごとのサイフロ附属中の合額実績】

学習塾名合格実績(2023年)
湘南ゼミナール37名
臨海セミナー13名
中萬学院7名
Z会7名
四谷大塚5名

合格者数が多いということは、それだけその中学に特化した受検対策を受けられる可能性が高いといえます。

志望校の受検対策に詳しい講師も在籍している可能性が高いので、優先的に塾選びの候補にすることをおすすめします。

湘南ゼミナールの公立中高一貫校の合格実績はこちらをご覧ください。

5-3. 個別指導・集団指導は「お子様の特性」に合わせて選ぶ

個別指導がいいか集団指導がいいかは、お子様の現状の成績や性格、志望校の難易度によって変わってきます。そのため、一概に「個別指導の方が良い」「集団指導の方が良い」とは言えません。

以下に、個別指導塾と集団指導塾の特徴を示すので、お子様にどちらが向いていそうか考えてみましょう。

個別指導塾の特徴

・生徒さんと講師が1対1、1対2などと少ないので、自分のペースで進められる

・苦手な分野などを集中的に繰り返し教えてもらうことができる

・志望している公立中高一貫校のレベルにまだ追いついていないお子様に向いている

・集団授業の早いスピードに追いつけないお子様に向いている

集団指導塾の特徴

・講師一人に対して生徒さん数十人などで授業を行うスタイル

・みんなで一緒に授業を受けるため、やる気やモチベーションを保ちやすい

・効率的に合格を勝ち取るためのカリキュラムが用意されている

・志望している公立中高一貫校の合格圏内のお子様に向いている

最初からどちらかに絞る必要はなく、どちらのスタイルの塾も見学・体験授業を受けてみて、最終的に向いている方を選ぶのがおすすめです。

また、学習塾によっては個別指導と集団指導、両方のクラスを選択したり併用したりできる塾もあります。そうした塾を選べば、途中で合わないと感じても入会金が無駄になることもないのでおすすめです。

湘南ゼミナールでは、公立中高一貫校の受検対策に特化した集団指導クラスと、小学校向けの個別指導(講師1人に生徒さん2人まで)があります。

ぜひお気軽に資料請求や見学、体験授業についてご相談ください。

まとめ

本記事では、公立中高一貫校に合格するために「いつから塾に通えばいいか」について解説してきました。最後に、要点を簡単にまとめておきます。

▼公立中高一貫校の塾はいつから通うべき?


・公立中高一貫校は私立中より遅い対策でも間に合う
・どんなに遅くても「小5の2月」から通うべき(学習習慣ができている場合)
・できれば小3~4から塾に通って基礎を作るのがベスト


▼状況別の「いつから公立中一貫校の対策に塾に通うべき」か


・学習習慣ができていて勉強が得意な方:どんなに遅くとも小5の2月
・勉強の習慣が付いていない・勉強が不得意:小3・小4から・学校成績が低いお子様:小3・小4から


▼公立中高一貫校に合格するためにいつから何をすべきかリスト


・小3まで:いろいろな体験をさせて思考力を育てておく
・小4まで①:基礎学力を定着させる
・小4まで②:報告書(調査書)の対策を行っておく
・小5から:作文の対策を始める
・どんなに遅くても小5の2月から:入塾して本格的な志望校対策を始める


▼公立中高一貫校に合格するための塾の選び方


・公立中高一貫校対策のカリキュラムがある塾を選ぶ
・受検したい公立中高一貫校の合格実績が多い塾を選ぶ
・個別指導・集団指導は「お子様の特性」に合わせて選ぶ


公立中高一貫校は、小学生の勉強がしっかりできていれば、最短1年で対策が可能な受検となります。ただし、効率的に対策を進めるならば、志望校の合格実績が豊富な塾を選ぶことをおすすめします。