INTERVIEW 001

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子どもが将来なりたい職業。その夢の現場に実際に潜入してみる新企画がはじまりました。
第一弾となる今回は、「ゲームクリエイター」の世界をお届け。勉強の敵として扱われがちな「ゲーム」ですが、
そこには学生時代の“学び”が活きていました。

答えてくれる人

ゲームクリエイター

髙久 敏宏 さん
(30歳/宮城教育大学出身)

― ゲームクリエイターってどんなお仕事ですか?

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実はゲームクリエイターって、3、40 種類以上ある役割の総称なんです。
それをまるっとゲームクリエイターと呼んでいるんですよね。
僕はその中でディレクターという役割をしていて、「音楽はこれでいこう」とか「ゲームルールはこうしよう」みたいな感じで、いろんなことを決めるポジションです。

髙久さんが入社して最初に手がけたスマートフォン向けアクションRPG『キン肉マン マッスルショット』。
「ファンが多く、歴史ある作品なので、世界観をきっちり表現することにこだわりました」(髙久さん)

先生になって鳥小屋やベンチ作りを教えるつもりだった。

― 髙久さんはなんでゲームクリエイターになろうと思ったんですか?

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会社に入ってゲームの部署に配属されたからゲームクリエイターになりましたが、はじめは技術の先生になりたかったんです。
授業で鳥小屋作ったりベンチ作ったりしたいなって思い描いていて、最終的には大学院で教員免許も取りました。

― 大きな方向転換ですね。

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大学で勉強したプログラミングを使ってアンドロイド向けのアプリを作ったら、アプリのコンテストで準優勝できたんです。その経験をきっかけにカヤックのインターンに参加したんですけど……プロの凄さに圧倒されて終わりました。でも中身はともあれ見栄えするものを作るのは得意だったし、企画を考えるのは好きだったので、教員と迷った末にカヤックへの入社を決断しました。

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たしかにちょっと先生っぽい。

― やっぱりゲーマーでした?

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高校のときにはじめてオンラインゲームにハマって「メタルギアソリッドオンライン」をずっとプレイしていて、上級者しかとれない“ハウンド” という称号までとりました。
うん、ゲーマーでしたね。

大切なのは“禁止”でなく“バランス”

― 受験勉強に支障はなかったですか。

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すっごいハマってたんですけど、受験も控えていたので「ヤバい」と思ったんですよね。
部活を引退した高3 の夏から一旦ゲームを封印しました。

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― 受験勉強をはじめる時期としては遅い方ですよね。もともと勉強が得意?

いや、学年の順位はかなり低かったです。
だからそこからは塾にこもって一日中勉強していました。
運良く、その年のセンター試験で自分が不得意だった英語が簡単だったおかげでなんとかストレートで入れたのではないかと……。

― ゲームは勉強の敵として扱われがちですよね。

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勉強もゲームもそこそこやってきた身として言えるのは、禁止するのではなく、“バランス” に尽きるのかなと。
僕も自分の子どもがゲームに興味を持ったら、興味を持ったものには全力で取り組んでほしいとは思いますが、そのときはプレイ時間を管理するなどバランスをとってやれるよう親として支援したいと思っています。
勉強とゲームは共生できるはずです。ゲームばかりでも、勉強ばかりでも身に就くスキルの幅がせまくなるのではないでしょうか。

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仕事中の一コマ。髪型も服装も自由で、和気あいあいとした雰囲気。

手を動かした数だけ、夢が近づく。

― ゲームクリエイターになりたい子どもたちに向けてアドバイスをお願いします。

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僕自身は大学でプログラミングを勉強していたので、プログラムが理解できるディレクターとして入社しました。絵が得意な人はイラストレーターとして、音楽が好きならBGMを作ってもいいし、国語が得意な人はシナリオライターとしてゲーム制作に携わってもいい。
ゲームクリエイターになる道はいろんな方法があります。

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最近買ったキーボード。赤× 黒の配色がお気に入りだそう。デスク作業が多く腰を痛めやすいので、椅子もこだわりのものを持ち込みしている。

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職場では文系・理系問わずいろんな学歴・経歴の人が活躍していますし、カヤックでいえば、ゲームクリエイターとして必須のスキルは特にありません。自分が好きなこと、面白がれることがあればそれでいいのかなと思います。そのかわり「これを作ろうと思ってるんです」ではなく、実際にどんどん自分で作ってみてください。そうして手を動かしたことの積み重ね、創意工夫した経験が必ず役に立つ仕事だと思います。
情熱を持ってつくればこだわりのポイントが作品に自然と込められるし、その思いは作品に触れた人にきっと届くはずです。

― 以上、子どもの夢の現場よりお届けしました。 ―

面白法人カヤックとはこんな会社!

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鎌倉に本社を置き、経営理念は「つくる人を増やす」。
ユニークな人事制度(サイコロ給、スマイル給、ぜんいん人事部)やワークスタイル(旅する支社)などを実施し、業界のみならず話題の企業。

オリジナルWeb サービス、Web 制作事業や、累計600 万以上の人に遊ばれる「ぼくらの甲子園!」シリーズなどのソーシャルゲーム事業、ゲームコミュニティ「Lobi」などを主要事業とする。また、「鎌倉自宅葬儀社」、esports 専門会社「ウェルプレイド」、ゲーム開発拠点「カヤックアキバスタジオ」、住宅関連会社「鎌倉R 不動産」「カヤックLiving」、ウェディング専門会社「プラコレ」などを擁する。

カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル、Yahoo!Japan インターネットクリエイティブアワード、文化庁メディア芸術祭など、受賞歴も多数。

https://www.kayac.com
2014年12月東証マザーズ上場。

あなたははじめて夢を聞かれた時、
いくつの世界を知っていましたか?
この企画をとおして、将来やりたいこと、
自分がすきなこと、はたらく未来を
少しでも広げるきっかけになればと思います。
ぜひ今後も子どもの夢企画をお楽しみに!

湘南ゼミナール