湘南ゼミナールからの

お知らせ

努力が自信を育み、次の挑戦につながる教育へ

内申点に関する調査結果と、湘ゼミの考え

26年5月4日付神奈川新聞「ザ・チャレンジ」への寄稿内容について、多くの反響をいただきました。まだお読みでない方は、最後に記事を添付しましたのでご一読くださると幸いです。

本稿において、私たちが最もお伝えしたかったことは、「学校現場への批判」ではなく、「努力が自信、次の挑戦につながる教育環境の大切さ」です。

まず、前提として、学校の先生方は日々多くの業務を担いながら、生徒一人ひとりと真摯に向き合っていらっしゃいます。
また、内申評価は定期試験の点数だけでなく、提出物や授業への取り組み、主体性なども含めて総合的に行われており、私たちはその教育的意義を否定するものではありません。

一方で、弊塾が実施している4都県共通模試と内申データの分析からは、同程度の学力層であっても、首都圏の各都県、また、同一の県であっても地域や学校によって内申傾向に差が見られることがわかっています。学力が相対的に高いにもかかわらず、期待される内申点を得られないことで、他都県の推薦入試等への出願が難しくなったり、不利になったりする可能性も存在します。

そのうえで、私たちが現場で感じている課題があります。

それは、努力を重ね、定期試験でも高得点を取りながら、「自分は評価されていない」と感じ、自信を失ってしまう生徒が一定数存在することです。
本来、学びは「できた」「認められた」という成功体験と結びつくことで、次の挑戦への意欲につながっていきます。

だからこそ、私たちは、「生徒さんの努力が適切に評価されること」「生徒さん自身が成長実感を持てること」「挑戦する気持ちを失わないこと」が、これからの教育においてますます重要だと考えています。

今回のデータ公表は、「制度を単純に批判する」ことが目的ではありません。
現場で子どもたちと接する教育機関として、受験や評価の現状を地域社会や保護者の皆さまと共有し、「より良い教育のあり方」をともに考えていくための問題提起です。

湘南ゼミナールはこれからも、学校教育への敬意を大切にしながら、子どもたち一人ひとりが成功体験を積み、自信と挑戦心を育めるよう、小学生段階から学びと挑戦を支え、指導に精進してまいります。

湘南ゼミナール


寄稿内容全文

Q.成績のつけ方 住む場所で違う?
A.自治体や学校間で格差 強みを磨こう!

高校受験において内申点(学校の成績)は合否を左右する重要な要素だ。しかし、客観的な学力が同じでも、住む地域や通う学校によって成績のつけ方が異なるのが実態である。それは弊塾が、中学2年生の10月段階で実施している4都県(神奈川、東京、千葉、埼玉)共通模試とその直後に出る2学期・後期内申データからも分かる。模試では主要5科で全受験者が全く同じ問題を解き、学力指標である「偏差値」を算出している。サンプル数は1000以上だが、神奈川の東部にデータが偏っていることは承知いただきたい。
まず、他3都県と神奈川県の格差だ。中2英語において、「偏差値60」の生徒が「5」を取得した割合を比較する。東京は89%、千葉は85%、埼玉は83%と軒並み8割を超えているが、神奈川県ではわずか54%にとどまる。数学においては千葉・埼玉が90%以上であるのに対し、東京67%、神奈川59%。データを見る限り、神奈川は成績「5」を取るのが難しい環境であると言わざるを得ない。これだけでも県外の私立受験において不利な状況だが、次に問題なのは県内の市町村間や中学校間でも大きなバラつきが起きていることだ。中2の5科目内申点(25点満点)の中学別・自治体別調査によると、同じ偏差値56の生徒でも、海老名市の平均は24.0点だが、横浜市は20.9点、藤沢市は19.3点となっている。客観的な学力が同じでも、自治体や中学校が違うだけで最大5点(全科目で評価が1段階下がるに等しい)もの差が生まれている。実は定期試験得点で同様の分析を行っても似たような格差が生じる。
もちろん成績は学力や定期試験だけでなく、提出物や主体性などを加味して判定される。ならば他県と比べて、神奈川や横浜市の中学生は提出物の質や主体性がこれほど劣っているということなのか。実際に4都県の生徒を指導している私たちの答えは「否」である。ただし、評価を仮に一律に緩和し全体が底上げされるだけだと、今度は難関校の志願者がみな高内申となり、実質的に「入試当日の得点での一発勝負」が加速してしまう。また、見かけの成績上昇で人気校への志願者集中や、難関私立へのシフトが起きるだけだ。
この格差で最も問題なのは、努力が生徒の自信につながらないことだと考える。頑張って勉強し定期試験で高得点をとっても内申が上がらないため、自分の力に自信を持てず、学力相当校を目指さないまま受験を終えた中学生を何人も見てきた。成績基準は誰の何のためにあるのか。努力が公平に結果に反映される時代に変革することを願いつつ、湘南ゼミナールは小学生のときから成功体験、自信、強みを磨き、挑戦心を育んでいきたい。
(湘南ゼミナール進路グループ 秋山清輝)