湘南ゼミナール 埼玉県公立高校受験情報

2023年度埼玉県公立高校入試分析資料

【国語】

正確な読解の訓練を

大問1は小説の読解。選択肢問題では登場人物の心情が聞かれた。時系列のずれが間違いの選択肢に含まれていたため、傍線部はいつの時点での話なのか、場面を意識して読む必要があった。記述問題では、心情の具体的な記述や理由が聞かれた。心情が直接表現されていることが多い本文だったため、傍線部の対象となる部分はどこからどこまでに記述されているのか、場面を意識して読む必要があった。
大問2は知識分野。平成27年以来8年ぶりに季語の出題があった。旧暦の季節の区切りを理解していれば解ける問題であった。また、対話文問題では、自分で質問文を考えて記述するという新傾向の問題が出題された。
大問3は論説文の読解。本文の難易度が高く、中学生には読みにくい文章だったのではないか。選択肢3題、記述2題の問題のレベルも高く、対比構造を意識して読解していく必要があった。また、記述問題は空欄補充の形式で、空欄の前後の文章をよく読まなければミスをしてしまう可能性がある出題だった。
大問4は古文の読解。傍線部の主語を選ぶ選択肢問題と、歴史的仮名遣いを直す問題は例年の傾向通り。本文の内容一致問題が、例年の4択問題から、書き抜き問題に変化した。
大問5は作文。例年通り195字の分量であった。「インターネットの適切な利用について」という身近なテーマだったため、書きやすかったのではないか。
難易度の高い文章で、心情とその理由や、筆者の意見を本文に忠実にまとめる訓練が欠かせない。

【社会】

教科書中心の学習を

大問数や設問数は例年通り。内容面では地形図の読み取り問題がなくなった。
地理分野は例年通りの難易度。世界・日本地理ともに気候の特徴や雨温図に関する問題が出題され、いずれも特徴をおさえて答える基本的な問題であった。日本地理の記述問題は、昨年度からの新傾向問題と同形式の問題であった。文章を速く・資料を正確に読み取る必要がある。今まで出題されてきた地形図の読み取り問題が、写真を見てどの方向から撮影されたものかを選ぶ問題に変更された。
歴史分野の大問3では、5つの異なる時代の資料から時代判別をしなければならず、幅広い知識が必要だった。大問4の並び替え問題は、資料から古い順に並び替える新傾向の問題だった。戦後でも重要な出来事のため、歴史の流れを理解していれば解ける問題である。
公民分野の問3では、裁判員制度についての知識が問われた。言葉だけではなく、制度の中身を正確に理解することが求められた。為替相場の問題も出題され、一見計算をして金額を出すように見れるが、円高の意味を理解し、文章を読めば解ける問題であった。
三分野融合の大問6の問4は、昨年度からの新傾向と同じ形式で出題。「千里ニュータウンの主な取り組みと成果」と資料に注目すれば、グラフの選択と何を記述すべきかがわかる問題であった。
全体的に見てもスタンダードの問題が多く、決して難易度は高くない。地歴公民の教科書をしっかり読み、用語の意味を体系的に学習することが高得点へとつながる。