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千葉県公立高校の入試制度解説

千葉県の高校入試は、2021年度(令和3年度)、新中学3年生が受験する入試より、制度が大きく変わります。どのような入試制度になるのか早いうちから理解しておくことが、目標(志望校)の決定とその達成(合格)には不可欠です。ぜひ本ページをしっかりと読んだうえで、準備・対策することをお勧めします。

①入学者選抜について

2021年度の千葉県公立高校の入学者選抜(いわゆる入試)は、1回のみの実施になります。(今年度まで実施されていた「前期選抜」と「後期選抜」の2回の選抜方法が廃止され、基本的に1回で全合格者を決める形になります。)
概要は以下の通りです。

表1 2021年度の一般入学者選抜の概要
選抜の回数 1回のみ
志願変更 あり
検査日数 2日間
検査内容 第1日:国語(50分・聞き取り検査を含む)・数学(50分)・英語(60分・リスニングテストを含む)
第2日:理科(50分)・社会(50分)・各高等学校が定める検査
追検査 あり

1-1)選抜の回数について

繰り返しになりますが、2021年度の千葉県公立高校の入試は選抜の回数が「1回のみ」です。

  • 合格者数が募集定員に満たなかった場合などで稀に第2次募集が実施されますが、基本的には無いものと心得ておいてください。

1-2)志願変更について

出願に際しては一度だけ「志願変更」をすることができます。最初の出願が締め切られた後、その集計(各高校の志願者数と倍率)が翌日の新聞で発表されます。それを受けて、志願先を変更することができます。
もちろん倍率に左右されない実力を本番までにつけておくことが一番大事ですが、現実問題として「志望校の倍率が想定よりとても高かった場合」や「今の志望校よりワンランク上の高校がチャレンジ可能な倍率だった場合」などの状況に応じて、志願変更を視野に入れるかどうかの意思や、する場合はどうなったら志願変更するのか、まで事前にしっかり考えておくと、本番直前に慌てることがなくなります。

1-3)検査日数・検査内容について

一般入学者選抜の本検査(=試験)は2日間で行われます。注目すべきは「英・数・国」と「理・社」が別日に行われる点です。受検者の当日の負担が軽減されるとともに、前日の、時間の使い方の選択に幅が出ます。ただし、そういった条件はもちろん全受検者同じため、使い方に失敗すると逆に差がつきやすいともいえ、より計画的な準備が必要になります。
また、第2日(2日目)には「各高等学校が定める検査」があり、「面接」「集団討論」「自己表現」「作文」「小論文」「適性検査」「学校独自問題」「その他の検査」の中から各高校が選択した一つ以上を実施します。
(各高校がどの検査を実施するかは例年9月中旬頃に発表されます。)

  • 帰国生徒・外国人・成人などの特別入学者選抜や、通信制課程の入学者選抜は本検査が1日で行われます。検査内容なども高校ごとに異なるため、詳しくは千葉県教育委員会のホームページをご確認ください。

1-4)追検査について

追検査は、病気などの理由で本検査を当日全く受検できなかった場合に受けられる検査で、受検機会を保障するための制度です。本検査と発表日の間に1日の日程で実施されます。

1-5)入試の日程について

2021年度の入試の日程は表2の通りです。

表2 2021年度の一般入学者選抜の日程
入学願書
提出期間
2月9日(火)
2月10日(水)
2月12日(金)
志願変更
受付期間
2月17日(水)
2月18日(木)
学力検査等
実施日
2月24日(水)
2月25日(木)
追検査
受付期間
2月26日(金)
3月1日(月)
追検査実施日 3月3日(水)
合格者発表日 3月5日(金)
(本検査・追検査の結果を同日発表)

②選抜方法について

ここでは、千葉県内の公立高校を受験する場合の入試選抜方法について解説いたします。
(定時制・隣接県・帰国子女の受験などにつきましては千葉県の公式HPを参照ください)
基本的に、以下の3項目を数値化(得点化)したものを合計した「総得点」に基づいて合否が決定されます。

2-1)調査書における「内申」および「記載事項」

中学校での内申を入試の選抜資料として使用します。対象は中学1年・2年・3年の学年末の内申合計で、基本的な最大値は「45(9科目合計)×3=135点」となります。
ただし、各高校はこの数値に高校側が定めた数値をかけることができます。
例えば、「中学校の内申を重視したい」という高校は2倍したり、「中学校での内申より学力検査の結果を重視したい」という高校は0.5倍したりすることができます。
千葉県ではこの倍率を「K」で表し、Kの範囲は0.5~2と定められています。
また、各高校は、内申とは別に、調査書の記載事項についても各高校の特色に応じて「最大50点」を加点することができます。
※各高校のKの値および記載事項の取り扱いなどについては、千葉県の公式HPおよび各高校の公式HPにて最新情報をご確認ください。

2-2)学力検査

いわゆる試験(テスト)の得点を入試の選抜資料として使用します。通常は合計値をそのまま使用しますが、「理数科」や「国際科」など専門的な学科については、高校により関連教科の得点を1.5倍または2倍することがあります。
※専門的な学科における得点の取り扱いについては、千葉県の公式HPおよび各高校の公式HPにて最新情報をご確認ください。

2-3)学校設定検査

学力検査とは別に、各高校が定めた検査の結果を得点化し、入試の選抜資料として使用します。検査は「面接」「集団討論」「自己表現」「作文」「小論文」「適性検査」「学校独自問題」「その他の検査」の中から各高校が選択した一つ以上を実施します。得点の最大値については各高校が10~100点の範囲内で決定します。
※各高校が実施する学校設定検査の内容などについては、千葉県の公式HPおよび各高校の公式HPにて最新情報をご確認ください。

【配点例】

参考資料として、入試選抜での配点例(総得点の計算方法)を3パターン記載します。
あくまでも例ですので、各高校がどのような計算方法を採用しているかは、千葉県の公式HPおよび各高校の公式HPにて最新情報をご確認ください。

A高校 <平均型>
内申 135点(K=1)
記載事項 10点
学力検査 500点
学校設定検査 面接 15点
総得点 660点
【特徴】
内申・学力検査ともに偏りなくそのまま加算しているパターン。調査書に関しては記載事項で最大10点の加点がある。また学校設定検査は面接で、最大15点加点される。
B高校 <学力検査重視型>
内申 67.5点(K=0.5)
記載事項 -
学力検査 500点
学校設定検査 作文 10点
総得点 577.5点
【特徴】
内申の得点を半分にすることにより、総得点中の学力検査の得点の比率が大きくなるため、学力検査を重視している高校といえる。
C高校・理数科 <学力検査重視+理数重視型>
内申 67.5点(K=0.5)
記載事項 -
学力検査 600点(数学・理科が150点満点)
学校設定検査 作文 10点
総得点 677.5点
【特徴】
B校と同じく学力検査重視型だが、理数科のため、検査当日の数学および理科の得点の重要度がさらに増している。

③学区について

2020年4月1日現在、学区についての変更の告知はありません。以下はこれまでの千葉県の学区に関する情報になります。

県立高校の学区設定では、千葉県全域が九つの学区に分かれています(表1参照)。住んでいる場所によって自分が属する学区が決まり、自分の属する学区と、それに隣接する学区にある高校を受検することができます。どの場所に住んでいる人がどの学区の高校を受けられるのか、表3にまとめましたので、ご覧ください。

表3 千葉県立高校を受検する場合の学区
第1学区 千葉市
⇒第1、第2、第4、第6、第7、第9学区を受検可能
第2学区 市川市、船橋市、松戸市、習志野市、八千代市、浦安市
⇒第1、第2、第3、第4学区を受検可能
第3学区 野田市、柏市、流山市、我孫子市、鎌ヶ谷市
⇒第2、第3、第4学区を受検可能
第4学区 成田市、佐倉市、四街道市、八街市、印西市、白井市、富里市、印旛郡内全町
⇒第1、第2、第3、第4、第5、第6学区を受検可能
第5学区 銚子市、香取市、匝瑳市、旭市、香取郡内全町
⇒第4、第5、第6学区を受検可能
第6学区 東金市、山武市、大網白里市、山武郡内全町
⇒第1、第4、第5、第6、第7学区を受検可能
第7学区 茂原市、勝浦市、いすみ市、長生郡内全町村、夷隅郡内全町
⇒第1、第6、第7、第8、第9学区を受検可能
第8学区 館山市、鴨川市、南房総市、鋸南町
⇒第7、第8、第9学区を受検可能
第9学区 木更津市、市原市、君津市、富津市、袖ヶ浦市
⇒第1、第7、第8、第9学区を受検可能

また、市立高校は千葉県内に七つあり(表4参照)、それぞれの高校で受検可能な地域が違います。普通科は市内や隣接学区内のみで、専門学科は県内全域募集、という形になっています。市立高校を志望する方は受検可能地域に注意してください。

表4 千葉県内の市立高校と受検可能地域
高校名 学科 受検可能地域
千葉市立千葉 普通科 千葉市内
理数科 県内全域
千葉市立稲毛 普通科 千葉市内
国際教養科 県内全域
船橋市立船橋 普通科 第1~第4学区内
商業科 県内全域
体育科 県内全域
松戸市立松戸 普通科 第1~第4学区内
国際人文科 県内全域
習志野市立習志野 普通科 第1~第4学区内
商業科 県内全域
柏市立柏 普通科 第2~第4学区内
スポーツ科学科 県内全域
銚子市立銚子 普通科・理数科 第4~第6学区内
  • 銚子市立銚子はくくり募集(入試時は科を分けないで募集)

④ 2021年度千葉県公立入試 科目別講評

2021年度千葉県の高校入試講評を掲載いたします。
ぜひ、お手元や掲載された実際の問題を参照しながらご確認いただけますと幸いです。

国語

「丁寧な読解が求められる入試へ」

難易度: 例年並み

総評
従来の問4(知識・文法)が削除され文章問題に組み込まれたため、大問の数は1つ少ない。問題傾向に大きな変化はないが、いくつかの大問で新しい形式の問題が見られた。昨年に引き続き、問題の質は高く感じる。丁寧に読み進め、正しく選択肢を選ぶ作業が必要とされる。より本質に近い問題になったといえるだろう。

▼ 大問1「聞き取り」

標準 出題方法等に大きな変化はなし。問題の難易度も例年通りと言えるだろう。

▼ 大問2・3「漢字」

基礎 読みについては全問正解した受験生が多かったのではないか。非常に易しい問題だった。書きについては「功を奏す」「博覧強記」の難易度が他と比較して若干高く感じられた。

▼ 大問4「論説」

標準 文章自体は読みやすく、取り掛かりやすかった。(1)~(4)は易しく、正答率も高いだろう。(5)は千葉県にしては珍しい記述問題。比喩表現が表す内容を読み解かなくてはならないため、初見の形式に戸惑った受験生も少なくなかったのではないだろうか。(6)も読解力が求められる文章。全体的に解法よりも読解力を求める問題が多かった。

▼ 大問5「小説」

発展 こちらも文章自体は読みやすかった。しかし、(2)の形式は例年の千葉にはなかったもの。(b)の選択肢を絞るのが難しかったと思われる。(4)(5)も答えを絞るのが苦労する問題。論説と同様、文章を素早く、正確に読み解く力が求められている。

▼ 大問6「古典」

標準 (2)(b)(ⅱ)に苦戦した受験生は多いのではないだろうか。文章全体から常葉の心情を掴まないといけない。ただし全体としては物語のストーリーを描くことができれば、解答に苦労しない問題が多かった。

▼ 大問7「作文」

基礎 資料も条件も、特に判断に困る材料がない標準的な問題。作文の練習を過去問等でやってきている受験生であれば、特に問題なく取り組めただろう。

【文責】 執筆:鈴木徹(湘南ゼミナール我孫子教室/湘南ゼミナール千葉国語科コンテンツリーダー)
【監修】石井隆雄(湘南ゼミナール船橋教室/湘南ゼミナール千葉国語科コンテンツメンバー)

数学

「前年度踏襲した出題、得点力が合否の差になるか」

難易度: 例年並み

総評
県立入試制度変更初年度、かつ、出題範囲が縮小される入試とあって、出題傾向や難易度の変化について様々な予測がなされたが、結果として一本化前の前期入試の傾向を踏襲した形となった。具体的には大問5問構成で、計算、一行問題(作図含む)、関数、平面図形(証明含む)、規則性からの出題であった。一昨年から登場した解答の過程を説明させる問題も出題された。難易度も昨年度の前期入試と変化なく、過去問演習等をしっかりと積んできた受験生にとっては戸惑うことなく取り組めたであろう。大問4、5の最終問題は点差がつくと予測されるが、全体として難問奇問の類の出題はなく、得点できる問題をいかに確実に得点できたかが合否を分けると考えられる。

▼ 大問1「計算」

基礎 計算問題が6問、例年通りの出題であった。難易度も例年通りで取り組みやすいと感じた受験生が多かったのではないか。

▼ 大問2「一行問題」

基礎 こちらも例年通り、作図を含め5問の出題であった。不等式の問題は真新しさがあったものの難易度はさほど高くない。作図も含め教科書レベルの基本問題を丁寧に処理できれば満点が狙える内容であった。

▼ 大問3「関数」

標準 大問3も傾向変わらず、3問の出題であった。最終問題である(3)のヒントは(2)の解法にあり、大問の流れ(問題作成者の意図)に沿って思考できたかどうかが差になりそうである。また、『点Dのy座標を全て求めなさい』の指示を適切に読めているかも点差につながると思われる。

▼ 大問4「平面図形」

標準 こちらも千葉の受験生には見慣れた形式の出題であった。証明は例年より短く書きやすい。最終問題である(2)を思考する際に相似のヒントが活用できたかがポイントである。また、適切に等しい辺、等しい角、直角、平行をチェックした後に円の半径が二等辺三角形の頂角を2等分していることに気付ければ、合理的な補助線を引くことは比較的容易であると考えられる。中点連結定理が活用できる点も重要であり、日ごろから『なぜその補助線を引いたのか』を追究する姿勢が求められた良問である。

▼ 大問5「規則性」

2年前に空間図形に変わったこの大問5も、蓋を開けてみれば例年通りであった。 (1)(2)はともに定期テストレベルの問題であり確実に得点したい。(2)の説明は『mとnが自然数である』ことを記述しなければならないため減点される答案にならないように注意したい。前年出題された途中記述でのポイント『解が問題文に適している』のような丁寧な解答が求められた。最終問題である(3)は若干思考しづらいものの、mとnの値が限定的であるため数え上げて正答する解法が多数派を占めたのではないか。初見の問題に怯むことなく挑戦する姿勢が求められた。別解として、不定方程式を立式し、右辺と左辺の倍数関係に注目して解を絞り込んでいく解法で得点した、数学を得意とする受験生もいたのではないか。いずれにせよ、セオリー通り実際にやってみてルールに気付けるかどうかが明暗を分けたであろう。

【文責】 執筆 栗山太一(湘南ゼミナール新浦安教室/湘南ゼミナール千葉御三家特訓講座責任者)
【監修】中野翔(湘南ゼミナール西船橋教室/湘南ゼミナール千葉数学科コンテンツリーダー)

英語

「より日常での表現力を問う入試へ」

難易度: 前年より易化

総評
試験時間が50分から60分へと延長されたが、大問数は例年通りの9題であり、聞き取りの時間や問題形式もほぼ変わっていなかったため、受験生は時間に余裕をもって解くことができたであろう。配点もほぼ例年通りで、少し長めの記述には4点が割り振られている。問題形式においては「問6条件英作文の指定語数」および「問9対話文読解で条件英作文を出題」の2点が大きな変更点であるが、全体的に昨年よりも平易な問題が多く取り組みやすかった。来年度も志望校合格のためには過去問演習が最も有用であるが、問9の変更点のような「表現力を問う問題」が増えていく可能性は高いので、日頃から英作文力を鍛えていくことが大きな差になり得るだろう。

▼ 大問1~大問4「リスニング」

基礎 昨年同様の形式。今年は難易度の高い単語や表現は見られず、教科書レベルの基本的なものであった。
問4の単語の聞き取りも例年通り中1レベルの単語で、語形変化の要素が今年は含まれていなかったため、取り組みやすい問題であった。

▼ 大問5「文法(語形変化・語順整序)」

基礎 昨年同様の形式。ここ数年、文法問題は平易であり、教科書の基本内容がほとんどであるが、10年ぶりにone ofが出題されるなど、出題内容の幅は広がってきているので注意が必要である。一方「目的格の関係代名詞の省略」「分詞の形容詞用法」などの難易度が高い後置修飾の問題は出題されにくくなっている。

▼ 大問6「条件英作文」

標準 例年通りの「絵を見て、考えられるセリフを答える」形式の問題だが、ストーリー性が強い「4コマ漫画形式」に変わり、語数は「20語以上30語以下」から「25語程度」に変更された。形式はほぼ変わっていないものの、例年よりも書ける内容が限定されていたため少し難しく感じた受験生もいたであろう。

▼ 大問7「短文読解」

標準 昨年同様の形式。昨年のような難易度の高い表現の出題はなく、読解力を問う問題中心であった。(2)①の適語補充はandの後にhe wasが補えることから形容詞が入ることに気づけたかどうかがポイントであった。

▼ 大問8「長文読解」

基礎 問題数は例年通り。昨年よりも読みやすい内容であり、設問も平易なものが多かったので取り組みやすいものであった。(2)の英問英答の問題において、代名詞を適切なものに置き換えられたかどうかで差がつくだろう。

▼ 大問9「対話文読解」

標準 (4)が10語程度の条件英作文に変更されたので戸惑った生徒もいたであろう。とはいえ、全体的には読みやすく平易な問題であったので、落ち着いて考えればしっかりと得点できる内容であった。

【文責】 執筆 今津吉弘(湘南ゼミナール柏の葉キャンパス教室/湘南ゼミナール千葉英語科コンテンツリーダー)
【監修】村田洋志(湘南ゼミナール新浦安教室/湘南ゼミナール千葉英語科コンテンツメンバー)

理科

「基礎・基本に立ち返った入試へ」

難易度: 前年より易化

総評
前年までの前期選抜を踏襲した、大問9題の構成。問1は小問集合で、それ以降は物理・化学・生物・地学から各学年バランスよく出題される。中学校3年生で学習する内容の実験操作等が範囲に含まれないこともあり、例年よりも極めて平易な問題が多く、受験生は取り組みやすかったであろう。一方で、記号選択問題においては、記載されている内容が例年に比べ細かいものが増えており、教科書内容の深い理解が必要とされる。基礎・基本である教科書内容を問題に応用できる力が、今後の入試でも求められるだろう。

▼ 大問1「小問集合」

基礎 中2生物・中3地学・中3化学・中1物理からの出題で、いずれも一度は教科書で見たことのある基礎的な内容である。全問正解が望まれる。

▼ 大問2「大地の変化」

標準 火成岩と地層の問題。火成岩の問題は、組織の構成とでき方、鉱物の名称から、冷静に答えを選ぶ必要がある。特に(2)は、実験結果も考慮して、場所と冷え方の関係に注意したい。地層の問題に関しては、かぎ層を確定し、標高を地点ごとに計算する必要があった。演習で対策が出来ていれば難なく得点できる。

▼ 大問3「電流と磁界」

基礎 陰極線と、電流が磁界の中で受ける力に関する問題。見覚えのある問題が多く、非常に簡単だ。全問正解が狙えるが、
(3)の導線が作る磁界の向きを特定する作業には注意が必要だ。日頃から原理原則に立ち返るような学習を心掛けたい。

▼ 大問4「植物」

基礎 植物の蒸散に関する問題。葉の表、裏、茎からの蒸散量を、表から計算して求める必要があった。難しい問いは無く、全問正解が望まれる。

▼ 大問5「水溶液」

基礎 水溶液の溶解度に関する問題。用語の確認ではなく、理解を問う問題が出題されているが、難易度は低かった。(3)の計算問題は、会話文中の数字や資料から、正確に読み取り正解したい。

▼ 大問6「天気図(前線)」

標準 天気の移り変わりと、温暖前線の通過に関する問題。(3)は、前線と観測地点の位置関係を風向きに結びつける問題で、少し難しい。
(4)は、教科書内容を理解し、注意深く文を読めば、間違いを見つけるのは容易である。落ち着いて対処したい。

▼ 大問7「物質の酸化」

基礎 金属の酸化に関する問題。表の読み取り、比を使った計算が出来れば、全問正解は容易だ。グラフの書き方は、数値の決定も含めて日頃から練習しておきたい。

▼ 大問8「食物連鎖(分解者)」

標準 分解者に関する問題。死骸を分解する生物の具体例など、教科書の熟読を要する問題が出題された。(4)は、無機物としての炭素の循環を問う問題である。植物の光合成と呼吸の両方に意識をもって解答したい。

▼ 大問9「物体にはたらく力」

発展 浮力と力の分解に関する問題。(2)以降は、三平方の定理や図形の知識を用いて力の大きさを計算させる難しい問題で、戸惑った受験生は多かっただろう。日頃からの高レベルな演習が求められる。力を図示する習慣を日頃から確認しておきたい。

【文責】執筆 楠本翔(湘南ゼミナール八柱教室/湘南ゼミナール千葉理科科コンテンツリーダー)
【監修】明石直樹(湘南ゼミナール妙典教室/湘南ゼミナール千葉理科科コンテンツメンバー)

社会

「単純な知識だけでは解けない入試に」

難易度: 前年より難化

総評
昨年前期と比べると難易度は高くなっており、平均点は50点台後半で収束すると思われる。今年は、「枢密院」や「幸福追求権」といった教科書本文では深く取り扱われず、補足の内容に記載されている事項の出題が目立ち、教科書内容の正確な理解をより意識した構成となっている。また、前年と同様に資料の読み取りをもとにした思考力や判断力が求められる問題が大問ごとに出題された。これらの問題は知識をもっているだけでは解けず、地図や資料をもとに解答を導く複数の力を要求する問題であった。 近年の千葉県入試は、単に知識を答えさせる問題が少なくなり、語句の説明や資料の読み取りといった問題が多くなってきている。来年の受験生には、まず教科書の熟読をおすすめしたい。その際は、教科書本文だけなく、記載されている資料や補足の説明、年表ページなども熟読するといいだろう。また、今年度の入試は3年前(2018年度)、6年前(2015年度)からの改題が多く見られた。知識を整理した後は、千葉県公立高校入試の過去問を繰り返し演習し、年表や各資料など不足している周辺事項を再び教科書をもとにして振り返るといいだろう。

▼ 大問1「総合問題」

標準 前年と同様に、語句記述・並び替え・資料の読み取りという形式だった。資料の読み取りでは、資料をまとめたメモをもとに国を特定するという問題が出題された。メモから読み取れる事実を丁寧に読み解けば十分正解できる難易度であった。一方、歴史の並び替えでは「戦後初の衆議院議員総選挙(1945年)」と「日本国憲法の施行(1947年)」が選択肢にあり、判断に迷う受験生もいただろう。

▼ 大問2「地理(日本地理)」

基礎 比較的取り組みやすい問題が多かった。雨温図の問題が3年ぶりに出題されたが、日本の気候の特色を理解できれば問題なく解ける内容だった。また、条件選択では仙台七夕まつりが出題されるなど3年前(2018年度)の前期の問題を意識した構成になっている。地形図では、ここ10年で出題が見られなかったナビゲート形式の問題が出題された。地図記号や縮尺の概念をもとにした総合的な読み取る力が問われたため、やや難しめであったといえる。

▼ 大問3「地理(世界地理)」

発展 単なる知識を問う問題が少なく、難易度は高かったといえる。たとえば、3年ぶりに対蹠点(正反対の地点)を求める問題が出題されたが、3年前と比べると地図上から選択する形式に変更となっている。地図を読み取る力が要求される分、難易度が上がっているといえる。説明文から国の特定する問題では3年連続でオーストラリアが対象となった。「内陸部は、降水量が少なく、乾燥し、草原や砂漠が広がっている」という表現からオーストラリアと判断できたかがポイントとなった。資料の読み取りでは、細かい計算を要求されるなど、総じて難易度が高い構成となっている。2年ぶりに出題された条件記述では焼畑農業の特色の説明が要求された。

▼ 大問4「歴史(前近代史)」

基礎 比較的取り組みやすい問題が多かったが、時代区分やできごとの流れや年号などを正確に把握できているかが問われる問題も見られた。奈良時代がおよそ何年続いたか、ペリー来航から桜田門外の変までの間におきたできごとを選ばせる問題はその最たる例であるといえる。ここ数年出題が続いている条件記述では室町幕府の滅亡に関する説明が要求された。

▼ 大問5「歴史(近・現代史)」

標準 選択問題が中心の構成であったが、一部判断に迷う選択肢も見られた。たとえば、天皇の相談に応じる組織である「枢密院」を選ばせる問題は、受験生も戸惑ったことだろう。枢密院がどのような組織か理解できたか、誤答の選択肢「内閣」との違いを理解できたか、そもそも受験生が言葉を知っているかも含め難易度は高めであったといえる。並び替えの問題では「香港が中国に返還された(1997年)」を正しく処理できたかがポイントとなった。教科書の本文ではなく、年表や補足説明の欄に載っている内容であったため、日ごろから教科書をいかに熟読したか問われたともいえる。また、シベリア出兵や立憲政友会を答えさせる問題は6年前(2015年度)の後期の問題に同様の出題が見られる。

▼ 大問6「公民(経済)」

基礎 比較的取り組みやすい問題が多かった。資料の読み取り問題は、他の大問で出題された問題に比べて選択肢の判断が容易であったため、落ち着いて解けば十分正解できただろう。条件記述では、公開市場操作の説明が要求された。

▼ 大問7「公民(政治)」

発展 一部に判断に迷う問題が見られた。新しい人権の根拠となる日本国憲法第13条に定められている「幸福追求権」は教科書の本文ではなく、補足説明の部分に書かれているため、知らなかった受験生もいただろう。誤答の選択肢である「生存権」が日本国憲法第25条であることからも判断できたが、それでも判断に迷う選択肢であったといえる。直接請求権に関する問題では、有権者数から条例の制定に必要な有権者数を求めることが要求された。実際に計算すると3036.4となるが、整数で答えることが条件とされたため、「50分の1以上の有権者数」という規定を正しく理解し、四捨五入せず、数値を切り上げられたかがポイントとなった。

【文責】 執筆 永井克典(湘南ゼミナール京成大久保教室/湘南ゼミナール千葉社会科コンテンツリーダー)
【監修】道免朋大(湘南ゼミナール新浦安教室/湘南ゼミナール千葉社会科コンテンツメンバー)

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