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勉強法

【神奈川県・2025年】難しい特色検査問題はどう対策?コツを解説

特色検査は、神奈川県の公立高校入試においてトップ校が取り入れている、思考力・判断力・表現力を問う試験です。定期テストや模試などと異なり、5教科の内容を複合した問題が出題されます。

本記事では、特色検査の頻出パターンや、得点力を上げるための具体的な勉強法をご紹介します。実際の問題も解説しているので、解けなかった方は参考にしてみてください。

特色検査とは?概要と特徴を解説

​特色検査では、複数の教科にまたがる問題や資料を読み取る問題が出題されます。解答には暗記だけでなく、得た知識を活用し、自分の考えを的確に表現する力が必要です。

神奈川県の公立高校入試では、学力向上進学重点校とエントリー校の18校で、共通問題及び共通選択問題を用いた特色検査が出題されます。詳しくは、例年6月中旬ごろに神奈川県教育委員会から発表される「特色検査を実施する学校や検査の概要」をご覧ください。

【2025年度】神奈川県公立高校|特色検査の出題内容

2025年度の特色検査では、次のような問題が出題されました。問題は全4問で、問1・問2が共通問題です。問3以降の問題は、各学校が2問ずつ選択する方式となります。

  • 問1(共通):英語・社会・理科の融合問題
  • 問2(共通):文章読解と資料分析
  • 問3(選択):災害をテーマにした複合問題
  • 問4(選択):独立したテーマの多様な問題
  • 問5(選択):コーヒーをテーマにした理科・社会の融合問題
  • 問6(選択):河川をテーマにした理科・社会・数学の融合問題

問題の詳細については、以下の記事でも詳しく解説しています。

2025年度公立高校入試 特色検査「共通問題」分析資料

問1(共通):英語・社会・理科の融合問題

問1は、オーバーツーリズムや観光地のゴミ問題に関する英文読解です。図や表を用いて、解決策を考察する内容でした。​

本問を解くには、英語の読解力に加え、社会的な知識や理科の環境問題に関する理解力が必要です。観光地における環境保全の取り組みや、持続可能な観光のあり方についての予備知識も求められます。

問2(共通):文章読解と資料分析

問2は、物流問題をテーマにした文章問題です。問題文と資料から情報を集め、課題解決の方法を導く問題でした。解答には、​国語の読解力だけでなく、社会・理科・数学の基礎知識を活用する必要があります。

特色検査の基礎となる、国語力を試す目的の出題だと推測されます。

​問3(選択):災害をテーマにした複合問題

問3は、災害をテーマにした会話文や古文を読み取る問題でした。社会的なテーマを取り上げた会話文から内容を読み取ったり、文章から得た情報を活用した計算問題も含まれます。​

また、災害時の行動計画を立てる設問もありました。設問によって難易度に差があるため、解く問題と解かない問題の見極めが重要になります。

問4(選択):独立したテーマの多様な問題

問4は、設問ごとにテーマの独立した問題群でした。ポスターの空欄補充や、立体図形に関する問題など、計5問で構成されます。設問で試された内容は、次の通りです。

  • ​敬語に関する知識
  • 空間把握能力
  • 日常生活でのマナー・コミュニケーション能力
  • 社会性や常識的な判断力

「こんにゃく田楽」をテーマとした立体図形の問題や、あみだくじの工作に関する問題など、ユニークな問題が目立ちました。

問5(選択):コーヒーをテーマにした理科・社会の融合問題

問5のテーマは「コーヒー」です。淹れ方や豆の種類、香りなどを例に出しながら、理科と社会の総合的な知識を使う問題でした。​

日常的なテーマからの出題であるため、何気ないものに興味を持ち、観察する力を試す目的があると推測できます。

問6(選択):河川をテーマにした理科・社会・数学の融合問題

問6は、設問9個から構成される問題です。河川に関する資料や会話文を読み取り、設問に答える問題が出題されました。​

問題の中心は、河川に関する図表を読み取り、距離を計算する数学問題です。一方で、科学分野の知識問題も出題されています。

特色検査で頻出する3つの問題パターン

特色検査の問題には、次のようなパターンがみられます。

  • 資料の読み取り・要約問題
  • 論理的思考を必要とする問題
  • 社会課題・SDGsなど時事に関する論述問題

上で挙げたパターンは、あくまで一例です。特色検査の考え方を知るために、参考としてご覧ください。

資料の読み取り・要約問題

特色検査では、複数の資料から読み取った情報をもとに、設問に答えるパターンが頻出します。

​たとえば、2025年度特色検査の問1や問5では、グラフ・表・文章など多様な資料の情報を組み合わせ、理解する力が求められました。また、問5 (エ)のように、複数の資料とメモを組み合わせた問題が出題されることもあります。​

資料関連の問題を解くには、​内容を正確に把握し、テーマに関する知識と結びつけて考察することが重要です。​日頃から資料を読み解き、情報を整理・要約することで、有利にはたらく可能性があります。

論理的思考を必要とする問題

特色検査では、論理的思考力を試す問題も出題されます。​たとえば、2025年度の問6では、複雑なプロセスの数学問題が出題されました。

論理問題は、問題文がシンプルで、一見簡単に見えるのが特徴です。しかし、正確な理解と論理的な推論を行うには、一定の時間がかかります。数学的・論理的な思考力を身につけ、問題を多角的に分析するクセをつければ、初見の問題にも対処できるでしょう。

社会課題・SDGsなど時事に関する論述問題

特色検査では、社会課題やSDGsなど、時事に関する論述問題が頻出します。時事問題では問題文から情報を拾う読解力に加えて、理科や社会の基礎知識が必要です。また、問題文が英語で書かれているパターンもあるため、英文の読解スキルも求められます。

2025年度では、問1で「オーバーツーリズム」、問2で「物流問題」が取り上げられました。いずれも、ニュースや新聞で取り上げられる機会の多い社会問題です。したがって、日頃から社会に関する知識・理解を深めることで、問題を解きやすくなる可能性があります。

特色検査で高得点を取るポイント3選

特色検査で高得点を取るには、次のような対策が役立つでしょう。

  • 過去問や模試の結果から自分の得意な選択問題を見つける
  • 塾の特訓講座など受験対策の専門家に指導してもらう
  • 特色検査の実際の出題形式を模試で経験する

過去問や模試の結果から自分の得意な選択問題を見つける

特色検査で高得点を狙うなら、得意な問題を確実に解き、点数を稼ぎましょう。過去問や模試に取り組むことで、どういった問題が得意かが明確になります。

正解した問題の傾向から、実際の特色検査ではどの大問を解く力があるのか、どの高校と相性が良いのかを確認できます。

塾の特訓講座など受験対策の専門家に指導してもらう

特色検査の出題内容には、教科横断型の問題が含まれます。学校の定期試験や学力テストとは勝手が違うため、独学だけで対策するのは困難です。塾の特訓講座や、受験対策の専門家に指導してもらいましょう。

塾に在籍している受験対策の専門家からは、次のようなアドバイスが期待できます。

  • 過去の出題傾向
  • 問題の解き方
  • 時間配分のコツ

専門家からのアドバイスを受けることで、効率的に学習を進められるでしょう。特色検査で得点を取れなかったり、伸び悩んだりしたときは、専門家に相談するのがおすすめです。

特色検査の実際の出題形式を模試で経験する

試験当日、十分なパフォーマンスを発揮するには、模試で実際の試験環境を経験するのが大切です。試験当日に近い模試を受けると、出題形式や時間配分を体で覚えられます。模試は制限時間に追われながら問題を解くため、プレッシャーを体験することも可能です。

さらに、模試の結果を分析することで、自分の得意分野と不得意分野が明確になります。得意な問題の傾向を分析したり、学習計画を立てたりする参考になるでしょう。

まとめ:5教科の基礎知識を活用して特色検査問題にチャレンジしよう

特色検査では、5教科の基礎知識を活用し、教科横断的な思考力や表現力が求められます。​過去問や模試を通じて、自分の得意分野を見極め、効果的な対策を行いましょう。​とくに、実際の出題形式に慣れることが重要です。​

湘南ゼミナールでは、2025年6月21日(土)に『特色検査対策模試』を実施します。​現在、無料受験と個別カウンセリングが付いており、参加者特典として7月の神奈川県進学模試・トップ校特訓講座に無料招待いたします。​実践的な模試を通じて、志望校合格への一歩を踏み出しましょう。