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高校受験・入試

慶應義塾高校の偏差値は?出題傾向と合格するための勉強法を紹介

慶應義塾高校は最難関クラスの私立高校であり、多くの人が合格を目指して勉強に励んでいます。これから慶應義塾高校の受験を検討している人やその保護者の中には、偏差値や入試の難易度、具体的な対策方法について詳しく知りたいと考えている人もいるのではないでしょうか。

合格するには学校の特徴や教育方針を理解するとともに、入試の出題傾向を把握して適切な対策を講じることが必要です。

そこで本記事では、慶應義塾高校の偏差値や特徴、入試形態、出題傾向などを紹介します。時間を有効活用して対策を進めるためにも、この機会に一通りチェックしておきましょう。

慶應義塾高校の偏差値は75で最難関レベル

慶應義塾高校の偏差値は75で、数ある高校の中で最難関クラスです。これまでの偏差値推移を見ると、おおむね72〜75の範囲で推移していて、常に高い水準を維持しています。

偏差値75は集団全体の上位0.62%であることを示す数値で、合格するには1,000人の集団で6位以内に入れるレベルの学力が必要です。したがって、早い段階から計画的に受験対策を進める必要があります。

また、慶應義塾大学への進学が原則として保証されていることもあり、人気が高い高校です。そのため、今後も多くの人が受験すると想定され、偏差値75程度の水準を維持すると考えられるでしょう。

※偏差値データ参照元

慶應義塾高校の教育方針と特徴

自分に合った学校か正しく判断するには、慶應義塾高校の特徴や教育方針を理解する必要があります。特徴的なポイントを挙げると以下のとおりです。

  • 男子校である
  • 自主性を重視している
  • グローバルリーダーの育成を目標としている

ここでは、それぞれの特徴を詳しく紹介します。この機会に時間を取って考えてみましょう。

男子校である

慶應義塾高校は男子校で、偏差値75という難易度もあって入学できる人が限られます。受験を検討している人は、男子校という環境が自分に合っているか考えてみることが大切です。

同じ慶應義塾大学の附属校でも、女子校として慶應義塾女子高等学校が設置されています。男女で異なる教育環境が用意されているのが特徴です。

自主性を重視している

教育方針として「独立自尊」を掲げています。「独立自尊」とは、他人に頼らず自分の力で判断し行動する力と、自分自身を尊重する精神を示す言葉です。

この理念にもとづき、慶應義塾高校では生徒が自ら考えて主体的に学ぶ姿勢を育てることを重視しています。

校則も比較的自由で、生徒の自主性に任せられる部分が多いのが特徴です。自由な環境の中で、自己管理能力や責任感を養えます。

生徒会活動や部活動、学校行事なども生徒主体で運営されることが多く、リーダーシップや企画力を磨く機会が豊富に用意されているのも魅力といえるでしょう。

高校生のうちから上記のスキルを習得することで、大学進学後や社会に出てからも自律的に行動できる人に育ちます。

グローバルリーダーの育成を目標としている

慶應義塾高校の教育は「正統と異端の協育」をテーマに、グローバルリーダーを育成することを目標としています。これにもとづいて各所と連携してさまざまなプログラムを提供しており、日吉協育モデルとも呼ばれる教育方針です。

国際交流に力を入れていて、海外研修プログラムや留学制度が充実しています。姉妹校との交流や海外の大学との連携プログラムなど、グローバルな視点を養う機会が豊富に用意されています。

グローバルリーダーとして欠かせない英語教育にも力を入れていて、実践的な英語力を習得できるのも特徴です。

慶應義塾高校の進学実績

慶應義塾高校の進学実績は、ほとんどの卒業生が慶應義塾大学に進学することが特徴です。原則として卒業生には慶應義塾大学への推薦入学の権利が与えられていて、すべての学部へ進学できます。

慶應義塾高校の公式サイトによると、2024年卒業生の進路は以下のとおりです。

  • 文学部:27名
  • 経済学部タイプA:135名
  • 経済学部タイプB:68名
  • 経済学部PEARL:7名
  • 法学部法律学科:112名
  • 法学部政治学科:112名
  • 商学部:95名
  • 医学部:22名
  • 理工学部:109名
  • 総合政策学部:19名
  • 環境情報学部:19名
  • 薬学部薬学科:1名
  • 看護医療学部・薬学部薬科学科:0名
  • 慶應義塾大学以外の大学:9名

進学先の学部は、高校3年間の成績や希望をもとに決定されます。人気の高い学部は競争率が高くなるため、希望する学部に進学するには高い成績を維持することが必要です。

また、ごく少数ではありますが、慶應義塾大学以外の大学に進学する生徒もいます。医学部を目指して他大学を受験したり、海外の大学に進学したりするケースもあります。

慶應義塾高等学校 – 慶應義塾大学への推薦

慶應義塾高校の入試形態

慶應義塾高校もほかの高校と同様に、複数の入試形態が用意されています。具体的な入試形態は以下の3つです。

  • 一般入試
  • 帰国生入試
  • 自己推薦入試

それぞれの入試形態を理解し、自分の状況や強みに応じて、適した受験方法を選択しましょう。

慶應義塾高等学校 – 募集要項/出願書類

一般入試

一般入試は学力試験の結果のみで合否を判定する入試形態です。学力試験の科目と試験時間、配点は以下のとおりです。

  • 国語:60分 100点満点
  • 数学:60分 100点満点
  • 英語:60分 100点満点

傾斜配点はなく、3科目すべてで十分に得点することが求められます。苦手科目があると大きく不利になるため、全科目を均等に対策することが重要です。

なお、合格最低点や平均点は非公開です。

過去には学力試験合格者に対して2次試験として面接試験を実施していたものの、2026年度入試以降は面接試験を実施しません。

帰国生入試

帰国生入試は、国外の学校に一定期間以上在籍した経験がある人を対象にした試験です。具体的には募集要項で指定された期間に22ヶ月以上の滞在歴があり、9年間の学校教育を修了していることが求められます。

海外での教育を受けた経験がある生徒を積極的に受け入れることで、多様性のある教育環境を作ることを目指している制度です。

試験内容や試験時間、配点は一般入試と同じで、国語・数学・英語の3教科の学力試験で合否を判定します。

帰国生入試では海外での学習経験を考慮しつつも、一般入試と同等の学力が求められます。グローバルな視点をもっていて、なおかつ十分な学力がある受験生を評価する入試です。

自己推薦入試

自己推薦入試は、慶應義塾高校を第1志望とする人に対して実施される入試です。試験内容は一般入試とは異なり、以下の2つです。

  • 1次試験:書類試験
  • 2次試験:面接・作文試験

1次試験の合格者に対して2次試験を実施し、最終的な合否はそれぞれの試験結果を総合的に評価して判定します。

受験資格として一定以上の成績(全教科の評定合計が38以上)が求められるほか、スポーツや文化活動などでの実績も評価されます。

また、入学後の明確な目標をもっているかも重視されるポイントです。面接では、志望動機や将来のビジョン、高校で学びたいことなどについて深く質問されます。

自己推薦入試を受験する人は、面接や作文の対策を十分に整えることが求められるでしょう。なお、自己推薦入試で不合格になった場合は、一般入試や帰国生入試を受験できます。

慶應義塾高校の入試における各教科の出題傾向および配点

慶應義塾高校の入試では、国語・数学・英語の3教科が課されます。各科目とも高いレベルの学力が求められ、とくに思考力・応用力が試されます。

教科ごとの出題傾向と勉強するときに押さえておきたいポイントは、以下のとおりです。

  • 【国語】論説文の出題がメイン
  • 【数学】標準レベルの問題が多く定理や公式の理解が必要
  • 【英語】高校初級レベルの知識が必要

ここで詳しく紹介します。

【国語】論説文の出題がメイン

国語では例年、論説文が2問出題される傾向があります。1問が文化人類学から、もう1問が文学から出題される傾向です。

いずれも文章の内容を正確に理解したうえで、自分の考えや意見を文章化するトレーニングが求められます。

記述問題が多く、出題意図を把握して解答を適切にまとめるスキルが欠かせません。具体的なスキルは以下のとおりです。

  • 文章から筆者の主張を読み取るスキル
  • 文章の構成や論理展開を理解するスキル
  • 自分の言葉で考えを説明したり要約したりするスキル

上記のスキルを習得するには、問題集を活用して論説文を正確に読解できるようになるまでトレーニングすることが必要です。制限時間内に長文を読み、的確に解答する練習を繰り返しましょう。

間違えたときは解説を読み、なぜ間違えたのか、どこに注目するのかを考えることが大切です。

また、漢字の書き取りや四字熟語といった基礎的な知識を問う問題も出題されます。難関校の受験ではここが合否を分けることもあります。

学習した範囲の漢字を確実に書けるようにしておくことや、四字熟語とその意味をマスターしておくことなど、基本的な対策を忘れないようにしましょう。

【数学】標準レベルの問題が多く定理や公式の理解が必要

数学は標準レベルの問題がメインに出題される傾向があります。高い応用力や発想力が求められる難問は少ないため、基本となる理論や公式をきちんとマスターして使えるようになっておくことが必要です。

わかったつもりになって満足しているといざ入試で問題を解けなくなるため、学んだ定理や公式は自分で証明できるレベルまで理解しておきましょう。公式を丸暗記するのではなく、なぜその公式が成り立つのかを理解することで、必要なときに活用できるようになります。

代数学では、方程式と関数をきちんと学び、計算ミスなどのケアレスミスに注意が必要です。とくに連立方程式や二次関数は頻出分野であるため、確実に解けるようにしておきましょう。

問題を解くときは計算過程を丁寧に書き、見直しを徹底することでミスを減らせます。

幾何学では合同と相似、回転体の特性などを学んでおくことが必要です。定理・公式を応用できるように補助線を引いたり、別の視点から考えたりする発想力が求められます。

基礎をしっかり固めておけば、座標から図形の辺の長さや面積を求めるような、代数学と幾何学を組み合わせたような問題も解けるようになるでしょう。

【英語】高校初級レベルの知識が必要

英語は難関校全般に共通する点として、多くの単語の理解と高校初級レベルの文法知識が必要です。中学校の教科書レベルだけでは不十分で、高校1年生が学習する範囲まで先取り学習しておく必要があります。

英検準2級〜2級レベルを目安にしつつ学習するとよいでしょう。難関校用の参考書・問題集や英検のテキストで勉強するとスムーズです。

関係代名詞や関係副詞の扱いなど、誤読しやすいところは重点的に学びましょう。長文読解でありがちな複雑な文構造を正確に読み取るには、使われている文法から意味をきちんとつかむことが求められるためです。

長文読解問題では読解のスピードを上げることも欠かせません。日頃から英文を読むトレーニングをしてスムーズに読めるようにしておくとよいでしょう。

なお、慶應義塾高校の入試ではリスニングの出題はありません。そのため、対策は読解力と文法力の強化に集中しましょう。

単語帳を何度も反復して覚え、文法事項を理解し、長文を読む練習を積み重ねることが合格への道です。

慶應義塾高校と併願するのにオススメの偏差値が近い学校

慶應義塾高校を受験する人は、ほかの難関高校を併願するケースも多々あります。ここでは、併願校として検討されることが多い学校として以下を紹介します。

  • 早稲田実業学校高等部(早稲田実業高校)
  • 早稲田大学高等学院
  • 慶應義塾志木高等学校

いずれも偏差値が近く、同じレベルの学力が求められる学校です。それぞれの学校の特徴を見ていきましょう。

早稲田実業学校高等部(早稲田実業高校)

早稲田実業高校の偏差値は75〜77で、慶應義塾高校と同レベルの難関校です。早稲田大学の系属校として高大一貫教育に注力していて、早稲田大学への進学率が高いのが特徴です。

教育面では、ディプロマ・ポリシー(卒業時に身につけるべき能力)にもとづいた体系的な教育を展開しています。早稲田実業高校のディプロマ・ポリシーは以下の3つです。

  • 豊かな学識と表現力
  • 次世代のタフなリーダー
  • 伝統の継承

また、海外研修プログラムが充実していて、視野をグローバルに広げる機会が用意されているのも特徴です。短期留学や海外での研修もあり、国際感覚を養えるのが魅力です。

慶應と早稲田どちらにするか悩んでいるなら、大学のカラーや自分の将来の目標に応じて決めるとよいでしょう。どちらも日本を代表する私立大学の附属校として、高い人気がある高校です。

入試面では慶應義塾高校とは異なり、文化・スポーツ推薦を実施しています。

あわせて読みたい:早稲田実業高校の偏差値は?推移と学力を合格圏まで上げる方法を紹介

早稲田大学高等学院

早稲田大学高等学院の偏差値は75程度で、慶應義塾高校と同水準の学校です。早稲田大学の附属校であり、卒業生は基本的に早稲田大学に推薦入学できます。

教育面では第2外国語が必修になっているのが大きな特徴です。生徒はドイツ語・フランス語・中国語からひとつを選び、3年間学習します。

3年間の継続的な学習により、グローバル社会で活躍できる語学力を習得できるのがメリットです。また、総合的な探究学習にも力を入れていて、自ら課題を設定して研究を進める力を養います。

早稲田大学への推薦入学が保証されている点は早稲田実業高校と同じですが、立地や男子校という環境、カリキュラムの特徴などを比較して、自分に合った学校を選ぶとよいでしょう。

あわせて読みたい:早稲田大学高等学院の偏差値はどのくらい?推移や入試傾向も解説

慶應義塾志木高等学校

慶應義塾志木高校は埼玉県にある慶應義塾大学の附属校で、偏差値は75と同水準です。

同じ慶應義塾大学の附属校ですが、慶應義塾志木高校は規模が小さく、1学年の生徒数が約250人と少ないのが特徴です。少人数教育により先生が一人ひとりに目を配れるようになっていて、きめ細やかな指導を受けられます。

慶應義塾高校よりやや早いタイミングで入試が実施され、慶應義塾志木高校を先に受験し、結果を見てから慶應義塾高校を受験するという戦略も可能です。慶應義塾大学への進学率が高いのは共通しており、どちらを選んでも慶應義塾大学への道が開かれています。

立地や学校の規模、入試日程などを考慮して、自分に合った学校を選びましょう。どちらも慶應義塾の理念にもとづいた高品質な教育を受けられます。

あわせて読みたい:慶應志木高校の偏差値は?主なライバル校と出題傾向・対策を紹介

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