TOP > 受験情報 > コラム > 2017年 > 【神奈川県立高校説明会レポート】県立高校におけるグローバル教育説明会 その2

コラム

【神奈川県立高校説明会レポート】県立高校におけるグローバル教育説明会 その2

2017.01.15
こんにちは!進路情報戦略室の金澤です。
 
2017年1月7日(土)、横浜市開港記念会館にて、表題の
「県立高校におけるグローバル教育説明会」が行われました。
こちらの説明会に参加してまいりましたので、内容をレポートさせていただきます。
 
レポートその1はこちら
 
 
◎ゲストによる講演1:「国際バカロレアの推進」 文部科学省大臣官房国際課長 匂坂克久氏
 
☆国際バカロレア推進の背景は何か?
 
・「グローバル化」「少子高齢化」の大きな二つの問題
 世界のGDPに占める日本の割合が低下し、50年後に人口が現在の2/3となり、生産年齢人口が現在の半分となる
 
・イノベーションの飛躍的な進展(AI・IoT・ロボティクス)
 
・今後10~20年で現在の半分の仕事が自動化される可能性が高い(オックスフォード大 マイケル・A・オズボーン氏)
・子どもたちの65%は大学卒業後今は存在しない職業に就く(ニューヨーク市立大学大学院センター教授 キャシー・デビッドソン氏)
 
・PISA調査を見る限り日本の子どもたちの学力は非常に高い
 
・これからは課題解決能力を身につけることが必要。学力観の転換、「真の学ぶ力」を育成・評価できるよう抜本的意識改革・制度改革に早急に取り組むべき
 
・上記背景を踏まえ、文部科学省は国際バカロレア(International Baccalaureate:以下IB)を推進していくことにした
 
・現在140以上の国、約4600校で導入。「高大接続改革で取り組みたい教育内容を先取りしたプログラム」と認識している
 
 
☆国際バカロレア導入の3つの目的
 
1:グローバル人材の育成。
 
 日本人としてのアイデンティティや日本の文化に対する深い理解を前提として、
 ・豊かな語学力・コミュニケーション能力
 ・主体性・積極性
 ・異文化理解の精神
 を備え、世界で活躍できる人材をグローバル人材と定義づけしている。IB学習者像は日本やOECDが目指しているものがすでに形になっていると思われる。
 
2:国際的通用性。
 
 IBでは個別に設定された科目に加えて、全科目共通の
 ・Extended Essay(論文)
 ・Theory of Knowledge(知の技法)
 ・Creativity/Activity/Service(創造性・活動・奉仕)
 が卒業用件として必要。特にToKはDPを語る上で不可欠で、知識の本質について考え、自分なりの考えを持ち、他人との自覚を促すプログラム。
 IBスコアは英国圏ではスコアに換算されるし、アメリカだと入学時の評価対象だったり入学後の単位変換になったりさまざまな恩恵があったりする。
 日本では認知が低かったが、徐々にIB活用の大学入試が増えてきている。
 
3:初等中等教育の質の向上と高等教育への波及。
 
 高大接続改革、学習指導要領改訂の話でもIBが何度も出てくる。今後の社会では答えのない課題に最善の回答を出せる能力が必要だと思われ、IBを通じて力を高めることができると考えている。
 
☆文部科学省の取り組み紹介
 
・日本語DP(本来IBはすべて英語・フランス語・スペイン語の選択ですが、カリキュラムの一部を日本語で受けられるように選択の幅が広がっています)を推進し、IB導入のハードルを下げる。
 
・学習指導要領とIBの対応を整理し、運用・評価などをしやすくしている。
 
・教員の養成・確保。
 
・IBに関する広報・理解の増進。
 
・現在の認定校はDP(16歳~19歳対象)28校、MYP(11歳~16歳対象)11校、PYP(3歳~12歳対象)21校。候補校はDP16校、MYP11校、PYP15校と、目標とする200校に向けては道半ば。最近の動きでは、札幌市立開成中等教育学校で認定の申請が出された。他にもさいたま、山梨、岐阜、京都、大阪、広島、高知などで検討・準備が進められている。
 
 
◎ゲストによる講演2:「グローバル化時代の中・高等教育と国際バカロレアへの期待」東京大学大学院教授 長谷川寿一氏
 
・IBの学習者像(補足:文部科学省ホームページより)がとても参考になる。日本の現在の中等教育が目指してきたものとは、ずいぶん違うアプローチに見える。
 
・グローバル化の定義は、各国が相互依存し、他国や国際社会の動向を無視できなくなっている現象。
 
・世界は大きく流動化し、構造が大きく変わろうとしている。日本でも少子高齢化がおきており、今まさに教育のあり方の大きな転換点を迎えている。
 
・上記背景から、知識そのものや人材を巡る国際競争を加速させるとともに、異なる文化との共存や国際協力の必要性が高まっている。基礎的・基本的な知識技能の習得に加え、思考力・判断力・表現力が必要となってくる。さらに、それらを常に更新し、生涯にわたって学ぶことが求められている。共存・協力も必要で、異文化を背景に持つ人たちや、自然と共に生きることができる「寛容な精神」を育むことが求められている。課題発見力と課題解決力も必要。
 
 
・つまり、これからの時代、これまでの常識や経験値だけでは対応しきれないということ。これまでにはない「人づくりの基本戦略」が必要。
 
 
・そこで、東大ではよりグローバル、よりタフな人材の輩出を目標にし、いろんな取り組みを行っていた。東大改革の3本柱:国際科・実質化・高度化。
 
・グローバル社会で必要な能力は、今の高校教育では限界がある。解答のある学びだけではダメだと考えている。東大で推薦入試を始めたのは、「グローバル社会の活力の源として活躍する人材を求める」という考え方からきている。法学部や教養学部で、IB成績を加味した受験制度になっている。実際、グローバル人材育成を前面に出している法学部・教養学部・理学部では、推薦入試の応募者がほかの学部と比べて多かった。従来の入試制度で入ってくる生徒たちとは違う人材が入ってきてくれた、と認識している。
 
・このような、東大に代表されるようなグローバル化・国際バカロレアの取り組みは、大学だけでなく、企業からも強い期待が寄せられている。
 
・中・高等教育は複線化が求められる。一流高校・一流大学・一流企業・・・という単線化ではなく、いろんな路線があり、そこにどう対応していくかがこれからは鍵となる。
 
・IBは、グローバル化や、上記のような激動の時代に応えることのできるプログラム、だと考えている。ぜひ推進していくべきである。
 
 
会の後半で、国際バカロレアについて日本における第一人者である坪谷ニュウエル郁子氏や、日立製作所 人財統括本部副統括本部長の田宮直彦氏、国際バカロレア校である横浜インターナショナルスクールの卒業生である飯田恵美莉氏と、前述の長谷川氏を交えてパネルディスカッションが行われました。それぞれの国際バカロレアに対する考え方や、IBへの期待、神奈川での認定推進に関する期待などが話し合われました。
 
 
県教委主催でこのような説明会が行われることは多くありませんが、昨年の「新しい学力向上進学重点校とは」の説明会にも見られるように、かなり強い意思が感じられます。神奈川の教育を大きく変えていこうとすると姿勢が、全国に先駆けて導入した「特色検査」から一貫して、強く現れていると思います。
 
 
環境が大きく動いてきていることを実感しています。ぜひ正しい情報を得て、お子様たちの豊かな将来に向けてよりよい選択をしていただければと思います。
湘南ゼミナールでは、これからもさまざまな情報収集と発信を通じて、皆様方のお子様の進路選択をサポートさせていただきます。
 
 
何か知りたい情報、詳しく取り上げてほしいトピックなどがございましたら、
 
shinro@shozemi.com
 
までご提案いただければと思います。お待ちしております。
 
 
===
下記ページでは、県立高校改革にも触れ、また、2017年度の入試日程や高校毎の選考基準もご紹介しております。
ぜひご参照ください。
 
・神奈川県高校受験情報ページ
https://www.shozemi.com/jyukenjoho/kanagawa/

公立高校受験

  • 小中部 神奈川
  • 小中部 埼玉
  • 小中部 千葉
  • 小中部 東京

難関国私立高校受験

  • shozemi アルファ

中学受験

  • 公立中高一貫校対策講座

大学受験

  • shozemi 高等部
  • 河合塾マナビス

個別指導

  • 個別指導 個別指導コース
  • 個別指導なら森塾

採用情報

  • 新卒採用
  • 中途採用
  • アルバイト採用

障がい者雇用促進

  • 湘南ゼミナールオーシャン